時子のパタゴニア便り

1994年パタゴニア アンデス山脈の麓の村の5’5ヘクタールの土地に移住。ささやかな自然との暮らしの中で感じた事を書いていきます。

2008-01-01から1年間の記事一覧

「料理で感じるアルゼンチン」

アルゼンチンは広い国なのですが日本の様な「郷土料理」が殆どありません。 アルゼンチンの代表料理はなんと言っても「アサード」。これは都会でも田舎でも、何 処に行っても必ずあります。定番は牛肉ですが、パタゴニアでは羊肉のアサードが有名です。レス…

「エルボルソン地区のトレッキング」

私達は山が好きです。時々時間を見つけてはトレッキングをします。二人で出掛ける時 は留守番の犬猫達が心配で、必ず日帰りになってしまいます。ですからトレッキング出 来る山も限られてしまいます。 主に行くのはペリートモレノ岳(2216m)とピルテュリキ…

「最初の頃に」

木曜日の日本語教室の日。教材を抱えてエルボルソンの文化センターの教室に入って、 私は一瞬「あれ???」と立ち止まってしまいました。 いつも私が一番に教室に入り、生徒さんを待つというパターンです。ましてその日は大学の試験期間中で、来るのは遅刻…

「エルボルソンのホップとビール」

私の住む南緯42°地区はビールの原料となる「ホップ」の産地です。これから夏に向かっ て、ホップが日ごとに大きく伸びて行きます。ホップ農場はエルボルソンやラゴプエロ の郊外に有りバスの中から見かけることが出来ます。5m以上の高い支柱の間に張った紐 …

「花を楽しむ」

パタゴニアを旅行されるなら、個人的に私は11月をお薦めします。 勿論どの季節もどの月も、それぞれの美しさや良さはあり、どれが一番などと比べられ るものではありません。また、旅行される方の目的や興味の対象によっても変わってき ます。 でももし私が…

「マテ茶の楽しみ方」

アルゼンチンには「マテ茶」という独特の飲み物があります。日本でもダイエット茶としてご存知の方も居られるかと思います。これはパラグアイとチリ、ウルグアイの一部でも飲まれていますが、その外の南米の国は行った事が無いので飲まれているかどうか分か…

「パタゴニアの郵便事情」

今回はこちらの郵便事情をお伝えします。パタゴニアでもネットの普及で郵便局を利用する人がぐっと減りました。数年前は、何時も郵便局には長蛇の列が出来ていたのですが、最近ではそんなことは滅多にありません。日本への手紙は届かない時もありますが、以…

「パタゴニア自動車運転免許事情」

今回は私の暮らすパタゴニア、リオネグロ州での運転免許事情のお話しです。私はこの国の免許証を持っていますので、先日免許の更新に行ってきました。必要書類は顔写真2枚と医師の健康診断証、DNIと呼ばれる身分証明書のコピーなどです。先ず無料の公立病院…

「麦播き」

パタゴニアに暮らし始めてから毎年、8月20日がのうじょう真人での「畑の初豆播き」の日と決めていました。その日から少しずつ日をずらして、空豆やえんどう豆を中心に農場中に種まきをしていました。本来ならここパタゴニアは5月から7月にかけて大雨や大雪…

「パタゴニアの田舎町での日本人」

海外で暮らす、しかも滞在ではなく移住者として暮らすと言うことは、自分が日本人だという当たり前の事を改めて強く意識します。私がアルゼンチンに暮らし始めたのは「たまたま」と言う言葉が一番当たっている気がします。ですからアルゼンチンに同化しよう…

「インコの舞う町」

私達の農場からエルボルソンの町までは約17km。山道を車で30分です。買い物や郵便物 受け取り、電気代支払いなどはエルボルソンまで行かなくてはなりません。また電話の 無い私達はメールを送ったり、サイトの更新もエルボルソンの町でします。いつもは用 事…

「パタゴニアの道路の脇で見つけたら」

数年前、隣町へ行く途中の国道沿いで、小さいですが赤く飾られた日本の祠の様な物を初めて見ました。何となく怪しげなヨガや霊気などが流行り始めた頃だったので、これも東洋の宗教が形を変えて伝わり、日本の祠を真似して奉ってあるのかと驚きました。早速…

「みんな仲良し」

ローズヒップは日本でもオイルや化粧石鹸などで、その名前は知られているかと思います。日本で高級化粧品として売られている商品も、原料のローズヒップは殆どがここパタゴニア産だそうです。こちらではロサモスケータと呼ばれ、至る所に生えています。帰化…

「右と左」

我が家には現在7匹の猫がいます。黒猫「ニャグ」以外はみんな「福」母ちゃんから生まれた兄弟です。子供の頃から一緒だったのはいつも「犬」でした。ですからこんなに多くの猫達との暮らしは初めてです。当たり前の事ですが、それぞれ個性があり付き合い方も…

「動いた石」

リオアスール川沿いの8ヘクタールの土地に私達の若い友人が住んでいます。アメリカ合衆国国籍の27才の彼は週一回町で英語教師をしながら、自分で家を作り、畑を作り、馬と牛を飼い、電気も無い土地で頑張っています。2年前のことになりますが、自然の麹菌の…

「パタゴニアの雨ときのこ」

パタゴニア、特に私の住む南緯42度地区は昨年から異常干魃が続いていました。 2000年頃から夏の高温と干魃が酷くなり、山火事も頻繁に起こるようになっていましたが、それでも冬は変わらず雨か雪が降っていました。 ところが昨年は殆ど雨が降らず、寒波の厳…

「インヘニェーロハコバシーのJorge Gerhold博物館」

乾燥地帯の真ん中にぽつんと現れる町がインヘニェーロハコバシーです。ここは珪藻土、カオリンなどの鉱山関係で開かれた町です。行くにはバリローチェからバスか列車、または自家用車しかないとても不便な町です。 国営ラジオ局もあり、その名前はよく耳にし…

「国立自然公園ロスアレルセス」

パタゴニアに住もうと決めた時、私達は住んでいたブエノスアイレス州のネコチアという町から今は亡き愛犬「チョリ」を連れ、キャンプ、自炊しながらの旅で大西洋沿いを南下、エスケルに辿り着きました。誰一人知った人もおらず、来たことも無かったパタゴニ…

「のうじょう真人の元気のもと」

「のうじょう真人(まじん)」と言うのは、私達の5,5haの土地に付けた名前です。マジンアオガード(Mallin Ahogado)が私達の住む地区の名前。マジンと言う響きから私達の尊敬する福岡正信先生の言葉「真の人間(真人)作り」が直ぐに心に浮かびました。先生…

「町に住む鳥、バンドウリア」

自然の残るパタゴニアとか、自然の美しいパタゴニアとか言われますが、住んでいると植物でも昆虫でも野生動物でも野鳥でも魚でも、日本に比べるとその種類の少なさに驚かされます。ですから野生動物を見かけるととても嬉しく「頑張ってね」と声を掛けずには…

「ラゴプエロ市文化センターの名物小鳥」

一昨年縁あって、お隣の市ラゴプエロの文化センターに焼き物用薪窯作りに行きました。レンガや粘土などの必要材料は揃っていましたが、窯作りはほとんどが夫と私だけの作業でした。その文化センターでは焼き物教室も開かれていたのですが、窯が無く、作品は…

「ラゴプエロの水の流れる木」

「ほら、滝の音がするよ。」 ブエノスアイレスから来た女性を自然国立公園ラゴプエロに案内した時の事です。 アラジャンという名前のサルスベリに似た木が自生する林の遊歩道を散策していたら、彼女が突然その木の幹に耳をつけたのです。 何だろう?と思いな…

「静かなマンソ川」

スペイン語でマンソ(Manso)は「おとなしい、穏やかな」という意味があります。 エルボルソンからバリローチェ方面に国道40号を進み、国境警備隊の検問所を過ぎると直ぐにマンソ村へ向かう砂利道が左に現れます。ここから約35km進むと深く澄んだ緑色のマン…

「そそり立つ大岩、ピエドラパラーダ」

「ピエドラパラーダ」という名前はパタゴニアに暮らし始めて直ぐに耳にしました。大巨人がそこに一個だけ岩をポンと置いたかの様にそびえ立って居るというのです。乾燥地のど真ん中にあり、エルボルソンから180km先のエスケルまで行き、そこから内陸部に約12…

「エプジェン湖の風」

アルゼンチンではパタゴニア地方の事を「風の国パタゴニア」と言うことがあります。 ここに暮らし始めた当初は初夏に吹く西風の強さに恐怖さえ感じました。 「ごおっ〜」「びゆうう〜」とうなりをあげて風が吹くと、根の脆い枯木や折れやすいポプラ、柳の木…

「アスール渓谷の吊り橋」

リオアスール(蒼い川)はアンデス山脈からエルボルソンの町の脇を抜け、お隣のチュブット州からチリに続くプエロ湖に流れ込む川です。その名の通り川はとても澄んだ碧い色をしています。エルボルソンでは夏はこの川岸で川遊びをする観光客が多くいます。ま…

「ペリートモレノ岳のお正月登山」

パタゴニアの新年は真夏です。しかもクリスマスは盛大に祝いますが、新年は大晦日に明け方まで飲んで騒いで、元旦は皆寝正月でひっそりしています。1日はお休みですが、2日はもう普段と何ら変わらない一日が始まります。ですから「一年の計は元旦にあり」な…