時子のパタゴニア便り

1994年パタゴニア アンデス山脈の麓の村の5’5ヘクタールの土地に移住。ささやかな自然との暮らしの中で感じた事を書いていきます。

2018-01-01から1年間の記事一覧

ともにいきる此れからも

日本では年末の慌ただしい時でしょうか? こちらは暑く、薪準備に忙しい毎日です。 ああ、もう1年が終わるんだなあ〜という感慨もない、ごく当たり前の日々を過ごしています。 こちらではクリスマスイブと大晦日の夜は爆竹鳴らして音楽かけて大騒ぎをします…

あじわうパタゴニア

写真は南極ブナに出るきのこです。 こちらではhongo de llano llano(ジャオジャオきのこ)と呼ばれていて、木の幹にぼこぼこ出て、やがて乾いて木化し瘤になります。 実はこのきのこが出るのは11月です。今は干からびて木化されつつあります。 ずっと以前、我…

ただよう香

12月になって、突然、本当に突然暑くなりました。 本来なら10月にはタイツを脱ぎ、ストーブも焚かなくなる日が多くなるのですが、今年は11月でも殆ど一日中薪ストーブを焚き、スボンの下にはタイツも履いていました。 私は朝4時から豆腐作りを始めるのですが…

おしえられる情緒

もう散ってしまいましたが、11月の最初、家の前の姫りんごの花が満開でした。 姫りんごは日本では、お祭りの時、りんご飴として屋台で売られていたと思います。 私は子供の時、このりんご飴が食べたくて食べたくて仕方ありませんでした。でも「りんごはその…

つづく思い込み

アルゼンチンは9月21日が春の日。でもパタゴニアではまだまだ寒い日が続きます。 けれども10月に入ると雨も少なくなり、日中は暑いと感じる日が多くなります。 畑の種蒔きも始まります。 私にとっての春は、冬中手離せなかったタイツを脱ぎ、洗濯物を外に干…

きがつく思いやり

前回に引き続いてnecochea ネコチェアのお話を。 ネコチェアには1993年11月末から1994年2月初めまで暮らしていました。 その時に日本の桜が植わっていることは聞いていましたが、行ったことはありませんでした。 桜の苗木は1971年11月24日に金沢市より日本大…

めでる桜

「桜を見に来ませんか」 数年前、ネコチェアという街に住む移住の先輩兼友人からお誘いがありました。ネコチェアは私がアルゼンチンへ来て最初に年末年始の3ヶ月暮らした、私にとっては始まりの街です。 ブエノスアイレス州で海沿いにあり、あの当時は日本人…

ながれる水

9月21日はアルゼンチンの「春の日」です。同時に学生の日でもあります。 今年の「春の日」は冷たい雨の降る日で、アンデスの山は雪が降りました。 それから今日まで、1日だけ快晴の日がありましたが、後は雨、曇りでとても春とは思えない寒い日が続いていま…

うみだす幸せ

9月8日大安吉日窯焚きをしました。 実は7日は私の誕生日でした。お陰様でまた一つ年を取る事が出来ました。また無事に産まれた日を数えることが出来ました。 こうして生きている事が本当に有難いと思えます。自分の意思で体が動かせる事を幸せだと思えます。…

みがく感性

気が付いていらっしゃる方もいるかもしれませんが、ブログの更新を自分でやるようになりました。今まで10年近く、チリパタゴニア公認ガイドの方が、超ご多忙にもかかわらず、ずっと無償で代行更新をしてくださっていました。でも流石に難しくなってきて、私…

あるいている道

あれれ!今気づいたけれど、日本で暮らした年月と、海外で暮らした年月が同じになりました。と言う事は、この先どんどん日本暮らしが遠い思い出となっていくと言う事です。 アルゼンチンに長く暮らしていると、移住当初感じた驚きや発見、怒りや悔しさ、面白…

おもしろい体験

6月末に降った雪が溶けずに農場を白く飾っていたのですが、木曜日からの雨ですっかり姿を消してしまいました。 今年は太陽の照る日が殆ど無い、どんよりと暗い冬を迎えています。 冬でも天気の良い日は外に出て、枝を払ったり枯れ木を切って薪の準備をしてい…

かさなる世界

「ああ、もう今年も半分が終わったんだ」と6月のカレンダーを破りながら、しみじみと感じました。 去年は6月に40年ぶりの大雪が降り、10日以上も停電でした。雪の重みで折れた枝や木を整理しながら、この生木が乾く来年の冬は、薪が十分にあって暖かく過ごせ…

「つたわる優しさ」

猫柳と普通?の柳は寒い我が家でもどんどん増えて、結構大木になっています。マジン地区にも沢山育っています。でも枝垂れ柳を見たことがありません。 ところがエルボルソンの街に行くと、枝垂れ柳を見ることが出来ます。一年中緑の葉を茂らせていて、その太…

「ふみだす勇気」

つい最近まで、私にはどうしても出来ないことがありました。 それは一人で外食する事です。 家では一人で食事しているのに、何故か、レストランや喫茶店へ一人で入る勇気が、若い頃からずっとありませんでした。 一人で注文して一人で食べることが、とてつも…

「たのしむ焼き物」

パタゴニアに来て始めた焼き物です。 薪窯を作り、粘土や釉薬になる鉱物を探しに乾燥地帯を旅し、松薪を準備し窯焚きをして、ブエノス・アイレスで展示会をしました。焼き物は暮らしの一部でした。一人では何も出来なかったけれど、同じ方向を向いて進んで行…

「みたされる心」

雨や曇りでぐずぐずした天気が続いていましたが、ここ数日秋晴れです。曇り空の下では、今年は山も里も紅葉が冴えないなあと思っていましたが、なんのなんの、今は青い空にアンデスの山の紅葉がくっきり浮かびとても綺麗です。里はポプラや柳やブナやリンゴ…

「くりかえす季節」

1月に藪の中に咲くブラックベリーの花を見つけました。勿論野生です。街では日当たりの良い道の脇には大きな株になって育っていて、花も実も大きいです。 でも我が家は日陰で寒いので大株はありませんし、数も少ないです。それでも新しい家の西の斜面に少し…

「うけとる自然の恵み」

春先低温で雨が多かったせいか、花は咲いても実を結ばなかったプラムやリンゴの木が沢山あります。加えて、かっかっと照る太陽の眩しい真夏日も数えるほどしか有りませんでした。果樹の木を見ながら、今年は寂しいなと思っていましたが、今頃になって紫に色…

「そまる指先」

動物は好きでした。子供の頃から犬や猫を飼っていました。日本では観光牧場で牛や馬、小動物の世話をする仕事をしていました。とても楽しかったです。でも植物には余り興味がありませんでした。花を育てたり、野に咲く花を愛でたり名前を覚えたりする事はあ…

「はずむ気持ち」

1月2月はアルゼンチンの夏期休暇。エルボルソンとその周辺の町にはブエノスや他の大きな都市から、勿論海外からも沢山の観光客が避暑にトレッキングにやって来ます。そしてそれに合わせてお祭りもあります。それぞれのお祭りにはテーマがありますが、正直言…

「ひきわたす未来」

Río azul リオアスール。直訳すると「青い川」ですが、私は「透き通った川」と頭の中で意訳しています。アンデス山脈からお隣のチュブット州のプエロ湖に流れ込んでいて、流れが速く冷たく、水も底が見える程透き通っていました。夏には川沿いのキャンプ場に…

「かなう夢」

小学校の卒業間近、グループ毎に校長先生と給食を一緒に食べる機会がありました。その時校長先生に将来の夢を聞かれました。 「花屋さんになりたい」 「社長になる」 「パイロット」 「お母さんのようなナース」 子供らしい、いろいろな夢をみんなは語りまし…

「ひろがる花畑」

また今年も夏の新年を迎えました。大晦日の爆竹音とそれに続く大音響のずんちゃか音楽の大騒ぎ。大騒ぎするのはいつも一握りの家族だけですが、よくまあこれだけ他人迷惑を考えずに騒げるものだと感心します。一応年末は大掃除をし、元旦は日本の友人がお土…