時子のパタゴニア便り

1994年パタゴニア アンデス山脈の麓の村の5’5ヘクタールの土地に移住。ささやかな自然との暮らしの中で感じた事を書いていきます。

2017-01-01から1年間の記事一覧

「ありがとうございました。 2017年の終わりに思う事。」

先日10年ぶりくらいにある知人に会いました。会った瞬間、(え〜。凄い老けたなあ。)と、とても驚きました。でもきっと彼も私を見て、(わあ〜!ずいぶんババアになったなあ)と驚いた事でしょう。時が流れると言うことは、いろんな事が変化して行く事です。驚…

「抱きしめられた。安心で優しい感覚。」

12月、パタゴニアは花で飾られ華やかな季節です。今年は春先まで雨が多かったせいもあり、例年よりも花が大きく緑が濃い気がします。 今はバラの最盛期。街でも農場でもバラの花が目立ち、良い香りが漂います。農場では緑の草の中に、野菊の白、ゲンノショウ…

「みんな上を向いているね。空には何が見えるんだろう?」

日本では「桃栗三年柿八年、柚子の大馬鹿二十年」と言われていたように記憶していますが、桃や栗が三年で実を付けるなんて、ここパタゴニアでは考えられない事です。 私は住み始めた時から、色々な木の種を播いてきました。それが芽を出し育ち、花を咲かせる…

「なんて事!ずっと一緒だったのに、初めて見上げた桜の花。」

街のほぼ中央に郵便局があります。家には郵便配達など来ないのでネットが普及するまでは、街に行く度郵便局へ手紙が届いているかどうか確かめに行くのが楽しみでした。 街へ行ったら まず一番に郵便局へ行きました。 2000年頃から此処でもボチボチとネットが…

「小さい春、小さい春、見〜つけた!」

冬に大雪が降ったせいか、春になっても寒い日が続きます。特に雪のアンデスを通ってくる風は冷たいです。快晴の日の日中は25℃位まで気温が上がりますが、朝夕はストーブ 無しではいられないほど冷え込みます。 それでも花は咲き、緑が日に日に濃くなっていま…

「うーん。これはどう考えたらいいんだろう?ご意見お聞かせ下さい。

のほほんと他人に頼ってお気軽に生きて来たら、数年前、どーんと大穴に落ちました。落ちてから暫くは辛かったですが、犬猫達のお世話や日本語教室や豆腐味噌作り、薪準備などやらなければいけない事がいっぱいあったお陰で、酷く落ち込まずに穴から出られる…

「パタゴニアの春。そして私の感じる春。」

今年はドカ雪が降り、どんよりと曇った日が続き、寒い湿気った冬でした。9月に入ってもなかなか暖かくならず、一日中薪ストーブが欠かせません。 まだ山に雪が多く、その上を通ってくる風は冷たいですが、9月も中旬を過ぎた頃から、天気が良いと春を感じるよ…

「やっと気付いた。一年で一番大切な感謝の日。」

私が移住したのは、こんなに物価も高くなく、人との繋がりも暖かく、時には鬱陶しいと思う位の助け合いのあったアルゼンチンの古き良き時代の最後の時期だった気がします。パタゴニアの田舎だった事も大きかったでしょう。お陰で、絶望して日本へ帰る事もな…

「あっ!響いている。反響している。共鳴している。私のパワースポッ

数年前に建てた念願の新居。毎晩寝泊まりし、西式体操や大気療法をし、土曜日は日本語教室をし、日本語の教案作りや予習をし、習字をしたり本を読んだりしています。 5m×8mの小さな家ですが、中二階(日本で言う屋根裏部屋)、囲炉裏、土間があり、間取り、窓…

「笑え笑え。頑張れ頑張れ。それは私に言う言葉」

難病にかかり、日に日に運動機能が衰え、目もよく見えず、会話能力も無くなって、最後の数年は寝たきりになってしまった人に、私はいつも「もう自分では何もできないと思っているかもしれないけど、あなたの笑顔は全ての人を幸せにする力があるよ。だから笑…

「楽しいよ。そう思える時間が増えて、ああ、幸せ。」

ある事情で、3年前から西式健康体操を1日3回続けています。でも、だらけの私は時々は1日1回なんて言う時もありますが、続けることが大切と細かい事は気にしません。 体操の他に、大気療法と温冷浴もしています。 温冷浴と言うのは、水風呂と暖かい風呂に1…

「来てくれてありがとう。一緒にいてくれてありがとう。」

3年近く前、私は本気でここを引き払い日本帰国を考え準備を始めていました。後継者か長期留守番を思いつく限りの方法で探しました 。帰国に際して一番の問題は当時一緒に暮らしていた4匹の犬と猫でした。応募を見て何組か連絡を頂きましたが、実現には至り…

「パタゴニアは良いな。何でも楽しめるよ。」

6月15日の木曜日、私は街で日本語教室をしていました。その日は冬にしては暖かく、天気予報で週末は雪と言っていたのを、又大外れ!と笑って聞いていました。 ところが午後から雨になり、家へ帰る頃にはみぞれに変わり始めました。我が家は街より標高が200m…

「支え続けてくれてありがとう。これからもよろしく。」

私は山の無い町で育ちました。天気の良い日に遥か彼方にかすかに木曽山脈の山並みが見えると、それだけでワクワクしました。日本で山を身近に感じず育つ少数派の1人でした。 専門学校時代バイトに明け暮れ、連休があるとそのお金で日本中を旅しました。そし…

「感じるだけで十分。元氣をありがとう。」

縁があるってよく言いますが、本当にそうだと思います。必要な時に必要な人や物が自然と私の所にやってくるんだと思います。 水ケフィア ほぼ同時期にブエノスアイレスとマジンの2人の人から頂きました。何年も前にドイツ人の友人からヨーグルトケフィアとい…

「変わる?変わらない?大事なのは今を生きる事なんだ。」

サラサラ。シュラシュラ。 早朝、まだ人が起き出していない静かな時間に聞こえる音。 「あれ?どうして小川の音が…」と一瞬だけ不思議な感覚に包まれます。そしてそれが、わずかな風に舞い落ちる黄葉した葉っぱの触れ合う音だと気付きます。 ポプラ、りんご…

「美味しいよ〜!ありがとう、りんご達」

りんごの花が満開の時、何時も「遅霜が来ませんように。みんなが実になれます様に。」と願っていますが、大体遅霜で花が焼かれてしまいます。農場には自然に芽を出し育ったりんごが何本もあり、花の咲く時期も霜の降り具合も違いますから収穫ゼロという年は…

「 なんて鮮やかな秋色。これがパタゴニアの色 なんだ。」4月に入り空気が夏のそれから秋のそれに変わりました。晩夏の頃と気温は同じでも、秋の空気は厳しい冬の寒さを覚悟させてくれるシャッキとしたものを感じます。一日中ストーブを焚く日も増えていきま…

「ああ、そうか。いつか必ず夢は叶うんだ。」

年々乾燥化が進んで、ここパタゴニアでも夏にはほとんど雨が降らなくなり、毎年の様に大規模な山火事が起こっていました。ところが、今夏は十分でないにしても時々雨が降り、いつもよりしっとりとしています。晩春の遅霜もなく、果樹が大豊作です。 プラムは…

「大好き。だから綺麗に付き合わなきゃあ。」

何かと言うと「いくらだった?」「いくら貰える?」「それじゃ損だ。」とお金に換算する人がいます。私はいじましい性格で、お金持ちを羨んだり、妬んだり、目先の利益のみに囚われてしまうので、なるべくお金から遠ざかるようにしてきました。 お金の事を気…

「ごめんね。ありがとう。きちんと向き合っていくからね。」

我が家は主燃料が薪です。農場には立ち枯れの木、植林の松がわんさとあって、燃料の自給は出来ます。でも、立ち枯れの木があっても、それを切って運んで割る作業があります。よく「呑気でいいね」とか「いつも何をやってるの?」と聞かれますが、時間がある…

「偉いね。幸せって自分で見つけるものなんだね。」

一年前の夏、動物愛護協会から1匹の雌犬を引き取り「お嬢」と 名付け ました。 姫とも仲良く遊んだし、私は家族が増え楽しく幸せでした。 でも半年過ぎた頃から日中ふいっと姿を消す様になりました。殆ど吠えない子で、人懐こく顔も可愛いし、近所の鶏や羊を…

「私だってなかなかやるじゃないの。冬が楽しみだなあ」

夢だった新居が完成して4年過ぎました。当初の夢の鬼瓦 も漆喰壁も家の中の壁の板張りも、全く出来ていませんが、この家で、土曜日日本語教室をし、1日3回の西式健康体操をし、時々習字をし、毎晩 中2階の板の間で木枕で寝ています。 もうすっかり私のいるべ…

「ああ〜やっぱり面白い。ゆっくり私らしく続けていこう!」

パタゴニアに来てから焼き物を始めました。きっかけは最初に食事を招待してくれた隣人の奥さんが、村の生活向上センターの焼き物教室の先生で、参加を誘ってくれたことです。 言葉を覚えたい、知り合いが欲しい、どんぶりが欲しいと理由はありましたが、一番…