時子のパタゴニア便り

1994年パタゴニア アンデス山脈の麓の村の5’5ヘクタールの土地に移住。ささやかな自然との暮らしの中で感じた事を書いていきます。

2016-01-01から1年間の記事一覧

「無為自然」

10月、露天風呂の横のサクランボの木は満開でした。お湯に浸かりながら咲き誇る花や、風に舞い落ちる花びらを眺めていました。最高の花見風呂でした。 今はさくらんぼの実が鈴なりです。毎年花は木いっぱいに咲いていましたが、その後の低温などで花の半分も…

「夏祭」

毎週月曜日、どんな事をして日本語教室に来る子供達と遊ぼうか?と楽しく頭を悩ませています。最初は3人から始まったのですが、口コミで広がって今は7人の子供が来ています。男の子は1人で、あとは皆んな女の子です。 子供というの3人以上集まるとそりゃあ大…

「成長」

私の駄目なところ。 「そんなの一杯あって今更…。」と言う声が聞こえてきそうですが、そんな中の一つに一緒に暮らしている草花の名前を全然覚えない事があります。 今、玄関を出ると壁に沿って屋根まで伸びているつる性の名前も知らない木の花が満開です。花…

「最善」

先週末まで10日間 私の気持ちはゆらゆら揺れていました。毎日続けていた健康体操も薪準備もやる気が起きず、家の中から風に揺れる草木や、雲や空を眺めて過ごしていました。 「駄目だな。しっかりしなきゃあ。」と思う自分と、「私ってこんなに弱かったかな…

「蜜蜂乱舞」

農場の最初の門から家までの約500メートルの道は、両側の木が育ち、緑のトンネルを通っている様です。空は狭くなったけれど、私はこの緑のトンネルがとても気に入っています。 家の前は少し広くなっていて、車を止めたり、運んで来た木を切ったり割ったりし…

「友人」

ラウラは仲の良い友人です。 ブエノスアイレスに住んでいた子供の頃、日系人の隣人の家によく遊びに行って、きんぴらとか味噌汁とかまんじゅうなどをご馳走になったそうです。小学生の頃から日本語教室に通い、日本人も日本も日本食も大好きです。四年前JICA…

「春」

10月になりました。以前なら時の流れを早いと感じるだけでしたが、今は「凄いな。時の流れって素敵だな。おもしろいな。楽しいな。」と思っています。 この状況をどうしたら良いのか?どうすべきか?と考えてしまう事もあります。でも50年以上の人生でそう悩…

「仙人」

夏にブエノスアイレスから遊びに来た若いカップル。我が家にしばらく滞在して、「私、ブエノスに帰ったらゴミを分別して、生ゴミで堆肥作る。水も大切に使う。要らないものは買わない。」と嬉しい事を言ってくれました。最終日、彼等だけで国立公園の湖で過…

「健康元気」

3月に私の病気の事を書きました。 絶対に転ばない、焦らない、諦めない。そう思って生活してきました。 西式体操は基本的に朝昼晩の3回続けています。食事療法は生野菜中心の少食を心がけていますが、元来甘いもの大好きで意志が弱いので、ストレスが溜まり…

「生命力」

14歳の猫「福」。 猫の寿命が何歳なのか知りませんが、一日中暖房の入った町の暮らしと違い、薪暖房の我が家では夜は冷え込んで室内でも零度近くまで温度が下がり、寒がりの猫には暮らしやすい環境ではありません。多くの猫と暮らしましたが、14歳になったの…

「歳月」

日本の田舎から我が家に来られ滞在した方の殆どが、我が家の自然の動植物の種類の少なさに驚かれます。一見緑の多い自然のように見えますが、私もここは決して豊かな自然だとは思えません。日本の田舎の方がずっとずっと豊かで美しいと思います。 でも私はこ…

「迎春」

もうすぐ8月ですが、ここパタゴニアはまだまだ寒い日が続いています。 数年前までは7月の中旬には、野鳥のシギの仲間のテロが農場にやってきて巣作りの準備を始めていました。私はテロのキーキーという感高い声をきくと、ああ春がやってくるんだなあと思って…

「阿吽」

粘土で小さなお地蔵様や動物達の一日一体作りを始めて一年です。 毎日は作れませんでしたが、それでも200体以上は作ってきたと思います。ストーブで焼いた後は、農場の守り神として木の切り株の上に乗せてきました。ですから農場を散歩すると、あちこちで出…

「対話」

我が家の主燃料は薪です。プロパンガスもありますが、夏の暑い時期の調理に利用する程度で、一年中、朝は薪ストーブをつけて豆腐を作ったり、昼食の準備をしたりしています。 ですから生活の大部分は薪準備に費やしています。 薪は敷地内の枯れ木や植林した…

「本質」

私は「子供嫌い」と時々言われます。確かに、子供がいてもわざわざ近寄って話かけません。それよりも関わらない様に遠ざかったりします。 子供が私をじーっと珍しそうに見たら、同じ様にニコリともせず相手が目を反らすまで睨み返します。泣いている子をあや…

「竃煤」

4年前 小さな家を作りました。その経過はこのブログに書いてきました。 その時に私個人は無一文になりましたが家作りにはとても足りず、姉と義父の援助で完成しました。 壁はまだコンクリート剥き出しのままですが、夢だった囲炉裏も土間も出来ました。竃は…

「御点前」

私が実践している西式健康法では、ビタミンC補給に柿の葉茶を薦めています。パタゴニアには柿はありませんし、アルゼンチンで柿の葉茶を飲む習慣もありません。ですから、日本帰国時に大量の柿の葉茶を買って持ってきました。でも毎日1リットル以上飲んでい…

「豪快南瓜」

我が家はエルボルソン近郊の中でもとりわけ寒い地区です。特に私達は極力木を切らずにいるので、木が成長して年々お日様の当たる場所が少なくなっています。それで野菜もほんの限られた物、ニンニク、ソラマメ、エンドウ、大根、キクイモ、チディビア(大根の…

「更新事情」

もし自分に何か出来ないこと、困ったことが起こったら、殆どの人は先ず、どうやって解決しようか考えたり、調べたり、工夫したりするでしょう。 ところが私が最初に考えるのは「誰に助けてもらおう?」なのです。自分で努力して解決しようとしません。ああ、…

「適時適所」

3月も終わりに近づき、パタゴニアに吹く風はすっかり冷たくなってきました。朝は気温が4度という日も多くなり、日の出も日に日に遅くなってきています。 今までは朝7時が犬達の朝ごはんの時間で、それから見回りを兼ねて農場内を散歩していましたが、今その…

「匍匐前進」

駆け足すること。スッキプすること。自転車に乗ること。縄跳びをすること。上や周りの風景を見ながら歩くこと。手すりにつかまらず階段を降りること。幅の狭い所をはみ出ず真っ直ぐ歩くこと。重いものを持って体の重心が傾いてもよろめかないこと。下駄やか…

「家族 猫編」

我が家の猫「福」は、毛並みも良く、顔もちょっときついけれど目鼻立のはっきりした美人さんで、性格も竹を割ったようにスパッとしていて、狩人で、行動的で、正直で、良いとこ尽くめの猫です。今年15歳になります。最近は遠出する事も少なくなり、食も細く…

「家族 犬編」

「口のあるものを飼っちゃあいけない。身動きできなくなる。」 先輩移住者に言われた言葉です。 でも私は犬や猫のいない暮らしは考える事ができませんでした。子供の頃自閉症気味だった私は、ずっと犬に癒され助けられてきました。 犬や猫を平気で捨てる人に…

「吃驚仰天」

北半球では寒波で大雪のところも多い様ですが、ここ南半球のパタゴニアは猛暑となっています。快、快、快晴の毎日です。日中の気温は30度を超え、熱風が吹きつけます。湿気が無いので木陰では割と快適に過ごせますが、それも午後4時には最高気温となり、木陰…

「襲来」

寒くて薪ストーブを一日中焚いていたその3日後から、気温が30度を超える猛烈に暑い日が続いています。湿気がないので日陰では何とか凌げますが、それでも時々熱風が吹いてきて驚きます。 3年前から、こう言う暑い日が続くと、恐怖の夜が3日間やって来るよう…

「二重奏」

2016年 もう1週間以上過ぎてしまいましたが、おめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いします。 パタゴニアは寒い初夏から一気に暑い夏に変わりました。湿気がなく朝夜は気温が下がり冷え込みますが、日中の暑さ、いいえ、熱さは半端じゃないです。…