時子のパタゴニア便り

1994年パタゴニア アンデス山脈の麓の村の5’5ヘクタールの土地に移住。ささやかな自然との暮らしの中で感じた事を書いていきます。

「エルボルソンのホップとビール」

私の住む南緯42°地区はビールの原料となる「ホップ」の産地です。これから夏に向かっ て、ホップが日ごとに大きく伸びて行きます。ホップ農場はエルボルソンやラゴプエロ の郊外に有りバスの中から見かけることが出来ます。5m以上の高い支柱の間に張った紐 に絡みながらホップの株が育っていくので直ぐに分かります。
のうじょう真人にも野生化したホップがあちこちに生えています。全く手入れもせずそ のままにしてありますが、林の木や外の植物に絡みながら逞しく育っていきます。この ホップは花をビールの原料にしますが、私達は今の季節、新芽を摘んで油炒めやおひた しにして食卓に乗せています。
バターか油でさっと炒め、塩をぱっぱと振りかけて頂くのです。この時アミガサタケき のこと炒めるとそれはそれは美味しいのです。勿論ホップの新芽を食べるなんて、ここ では誰もしません。ですからこれはのうじょう真人特製、旬の料理なのです。もし新鮮 ホップ新芽が手に入ったら、是非試して頂きたいです。ただしホップ農場の栽培ホップ の新芽はお薦めできません。なぜなら除草剤や農薬を散布している可能性が無きにしも あらずだからです。
さて、ホップの産地だけあって、エルボルソンには手作りビールがかなりの種類ありま す。勿論販売もしていますし、レストランでも注文出来ます。ただ・・・・この地ビー ルに関しては「名物に上手い物無し!!」が当てはまる気がします。観光ブームの前、 観光客が押し寄せる以前は、もっと丁寧に作っていて美味しかったので残念です。ただ しこれは今まで我が家に来られたお客様と夫の意見で、あくまで個人の嗜好ですから、 「エルボルソンの手作りビールは最高!」と思う方もいらっしゃるかもしれません。誤 解の無いように・・・。
地元のお酒好きな人は、自分が飲みたくて自分の為だけに何百リットルも作っています。
我が家でも以前はみんなの様に「ビール用麦芽」を購入して何リットルも作っていまし た。でも、一度自分達で麦芽から作ってみたら、これがもう「美味しいの何の!」。 ビール嫌いの私でも「美味しい」と唸ってしまう程でした。これこそが手作りの本随だ と思ったのですが、この麦芽作り、結構手間がかかり一度に大量には出来ません。私は もともとビールは好きではないので、あの手間と時間を掛けてまで作ろうと言う気には なれず、それ以来我が家ではビールは作っていません。
お酒に弱い私は、ホップの花の収穫するだけで、頭がぽわーんとなってしまいますが、 今年はいっちょ、この花のお茶に挑戦してみようかと思っています。