時子のパタゴニア便り

1994年パタゴニア アンデス山脈の麓の村の5’5ヘクタールの土地に移住。ささやかな自然との暮らしの中で感じた事を書いていきます。

2004-01-01から1年間の記事一覧

のうじょう真人の自然が教えてくれる事

裏口の横に、甘いサクランボの木があります。2年前から私達にも、お裾分けがまわってくる程、沢山の実をつけるようになりました。今年も、真っ赤な実を小鳥が上手にくわえて持ち去って行きます。思わぬ所でサクランボの苗木を見つけるのは、みんな小鳥達のお…

のうじょう真人の野いちご

子供の頃 好きな食べ物は「苺」と「苺のショートケーキ」でした。真っ赤な苺に白いホイップクリームや練乳をたっぷりかけて食べるのが好きでした。今も好きな食べ物のトップに「苺」はあります。でもそれは、「のうじょう真人の野生の」と言う前書きが付きま…

のうじょう真人の焼き物

11月26,27,28日と首都ブエノスアイレスにある、日本庭園の会場で、パタゴニアの陶芸展を、4人の仲間と共同開催することが出来ました。 日本の友人の個展(木工)の写真を見て、素敵だなあ、と思ったのが始まりのような気がします。ブエノスの先輩に「焼き物…

のうじょう真人の山菜メニュー

学生の頃、バイト先の民宿で「ほうれん草茹でて」と言われ、どうすれば良いのか分からず真っ青になっていた私も、今では何とか台所をあずかり、自己流ですが手作り食品も作れる様になりました。今回はそんな私の定番メニューを紹介させて頂きます。 1) たん…

のうじょう真人のタケノコ狩り

11月になると私の午後の行事が一つ増えます。 「今日は北区にいってきまーす」 軍手をはめ、帽子をかぶり、布袋を担いで、猫の福助、犬のパクを従えcaña colihue(カーニャコリウエ、ネマガリタケ)の筍の収穫に出掛けるのです。 のうじょう真人を3区画に分…

のうじょう真人の“きのこ達”

「Hongo de ciprés」(シプレスのきのこ) 日本でいうアミガサタケです。10月のこの時期、朝夕の散歩兼見回りは、普段は入らないシプレス林で、きのこ目になってアミガサタケを探すのが日課となりました。 10年前には1日に何十個も、歩けばアミガサタケとい…

のうじょう真人の夢

10月の明るい太陽の光の下で「初めまして」と、りんごやすももの赤ちゃん苗が自己主張をしています。芽を出したばかりの子もいれば、2~3年経って、やっと気付いた子もいます。楽しい出会いの瞬間です。 「のうじょう真人」で暮らして10年。木を切られトラク…

のうじょう真人の春の色

堅いつぼみだった水仙の、最初の一つが花開くと、後は先を争う様にあちこちで黄色の花が咲き始めます。黄色と言えば、トホの花もミチャイの花も満開、気の早いたんぽぽも日溜まりで咲いています。家の裏のすももは白いかわいい花をいっぱいつけ、蜜蜂を誘っ…

のうじょう真人の家造り

土壁、土間、いろり、かまど、高床、石の上に立てた柱、雨戸と戸袋、敷居、引き戸の玄関、 「のうじょう真人」の自然にある物を使って、住み易い日本家屋を造りたい。ここ数年の私達の夢でした。家を建てる幾つかの候補地も決めていました。でも、どんな小さ…

のうじょう真人、「こころの住人さん」募集

アルゼンチンは遠くて行けないけど、「のうじょう真人」の暮らしは面白そう。 もしも、もしも、そう感じて下さる方がいたら・・・ “あなたも「のうじょう真人」の、こころの住人になりませんか?” 農場で生まれた(芽を出した)りんご、すももの苗木の里親 …

のうじょう真人の「と」印

私は、山も丘もない真っ平らな土地、岡崎平野で育ちました。その為「山を望む景色」は、私にとって特別なものです。 のうじょう真人からは万年雪をかぶったアンデス山脈を見ることが出来ます。 春から初夏にかけ吹き荒れる、パタゴニア特有の西風は、チリか…

のうじょう真人への帰り道で

それは、8月最初の水曜日、El Bolson(エルボルソン)の町から、のうじょう真人へ向かう村のデコボコの山道での事でした。町とは100mの標高差があるので、帰りは上り坂が続きます。その坂の途中で2台の車とすれ違い、その少し後ろを車の巻き上げた土埃を被り…

のうじょう真人の春一番

(今年も来てくれるかな?) 7月も半ばを過ぎると、私は期待に胸膨らませ21日を待ちます。その日が雨でも、雪でも、暖かな陽気でも、身を切る様な寒さでも、ほぼ間違いなく「のうじょう真人」を訪れるMallin(マジン)村の渡り鳥、Terro(テロ)。 “マジン村…

のうじょう真人 晴れた日の冬の朝

ザシッ、ズサッ、ザクッ、 ああ、あの音を何と表現したらいいのでしょうか 1年の内で、この季節にだけ聞き、感じる事の出来る音。 早寝早起きの私達は、隣人達の夕食の始まる22:00には、深い眠りの中にいます。でも6:00には起き出し、焼きたてパンとマテ茶の…

のうじょう真人、始めての冬の思い出

昨夜から降り続くどしゃ降りの雨 ストーブに放り込む薪はパチパチと乾いた音をさせ、暖かく燃えてゆきます。 鍋の中では菊芋か煮え、少し癖のある甘い香りを漂わせています。 「ああ、冬はいいなあ」私はマテ茶を飲みながら、しみじみ感じます。そして、10年…

のうじょう真人の冬

ゴオオオー、ドバーン 西のアンデスの谷間から突風が吹き、バケツをひっくり返したような雨の音で目覚めます。 6月、いよいよ本格的な冬の始まりです。 雨か雪、そうでなければどんより曇った日が多く、時々からりと晴れると、気温はマイナスに下がり、どこ…

のうじょう真人から感じる治安

「治安は大丈夫?」 日本に住んでいる人からよくされる質問です。正直言って、答えるのはとても難しいです。 家を空ける時、たとえ場内でのきのこ採りでも鍵をかけます。 バイク、自転車は、車庫の中でもチェーンで柱に結びつけています。 友人以外の人には…

のうじょう真人流 焼き物 

アルゼンチンに来て、マジン村に住み着いて、山の様にある“よかった”事の一つに、焼き物を始めた事があります。日本では夫も私も“土いじり”をしたのは、小学生の図工の時間のみ。まさか自分達の生活の一部(全て!?)になるとは思いもしませんでした。 きっ…

のうじょう真人の林檎達

今年も去年も[のうじょう真人]の林檎は豊作でした。剪定も摘果もせず、好きなように大きく育った林檎の木。 果実は虫食いで、握り拳より小さいけれど、一つ一つが,いとおしくてたまりません。 10本以上ある木の内、生食できるのは2〜3本、あとは渋くてすっ…

のうじょう真人流手作りパン作り

パン作りを始める前に!! 1・秋、半野生化した林檎を収穫、1cmくらいに輪切りにしてよ〜く干す。 2・農家から直接買ってきた有機栽培小麦に混じっている、麦以外の草の種、茎、草、昆虫のミイラなどを丁寧に取り除き、きれいにしておく。天然酵母の作り方…

のうじょう真人への思い

5.5ha(55000㎡)の、のうじょう真人 その半分は自然林です。西向きの斜面にあるため、朝日が差し込むのが遅く、夏の間は水不足に悩まされます。真夏にも霜が降りるため、トマトもカボチャもシソも大豆(枝豆)もソバさえも出来ません。一日の温度差が激し…

「のうじょう真人(まじん)」の一日の始まり

「キコケッコー」 (あっ、フェル家のボスが鳴いた。) 「テケッケッケッケッ」(今度はボカ家) 隣家の雄鳥の個性的な時の声が、ピリピリと冷たくキリッと透き通った、早朝の空気を震わせます。 夫(1960年生)が起き出し薪ストーブに火を付け、私(1962年…