時子のパタゴニア便り

1994年パタゴニア アンデス山脈の麓の村の5’5ヘクタールの土地に移住。ささやかな自然との暮らしの中で感じた事を書いていきます。

2010-01-01から1年間の記事一覧

「初めての感動」

アルゼンチンの学校は12月初旬が終業、卒業の季節です。そして長い夏休みに入 り3月に新学期が始まります。子供のいない私たちは、そういった年間行事には無関係で過ごしてきました。終業 式とか新学期は私の中では遠い遠い昔の忘れかけた記憶となっていま…

「ネマガリタケの新芽」

前回はネマガリタケの花のお話でしたが、今回は新芽つまり“たけのこ”の事を書きます。11月はこのネマガリタケの新芽の季節です。のうじょう真人には多くのネマガリタケの群生があります。ここに住み始めた頃は、この新芽の収穫が楽しくて楽しくて、農場を…

「笹の花」

パタゴニアは春たけなわ。さくらんぼやプラムの花は終わりましたが、今はりんご、花梨の花が満開です。野生ランも黄色い花を咲かせ、あたり一面に甘い香りを漂わせています。ライラックは紫の花を空に向かって開き、カラファテは小さなオレンジ色の花を株い…

「国勢調査」

10月27日水曜日、アルゼンチンは特別祝日になりました。政府は当日8時から20時までのイベントや商業活動の禁止令を出し、郵便局、役所、病院などの公共施設は勿論、全国の学校、商店、露天市場でさえ休みでした。それは10年に1度の国勢調査の日だ…

「アルゼンチンのお金」

アルゼンチンのお金の単位は「ペソ」です。写真にあるように「100ペソ」 「50ペソ」「20ペソ」「10ペソ」「5ペソ」「2ペソ」の紙幣と、「1ペソ」「50センターボ」「25センターボ」「10センター ボ」「5センターボ」「1センターボ」の硬…

「一番大切な事」

前回に引き続き焼き物展示会のお話。 私は今回の展示会会場に行っていませんので、その熱気や雰囲気が自分の経験として残こらず、あまり良い報告が出来ませんでした。けれども一通のメールが私にとても大切な事を教えてくれました。ご本人の許可を頂いたので…

「焼き物展示会 ご報告」

8月22日から26日まで、ブエノスアイレス日本庭園展示会場で開催した焼き物展示会。 以前開催した時は私が会場に行きましたが、今回私は家で犬猫たちと留守番でした。それで展示会の直接の雰囲気や手ごたえが分からず、ご報告がこんなにも遅れてしまいま…

「私のお勧めエルボルソン観光」

秋から初夏まで、エルボルソンに観光客は殆どいません。120km離れた観光地バリローチェには大きなスキー場もあり、娯楽施設も宿泊施設もあるので、一年中ブラジルやヨーロッパから観光客が来ています。そんな観光客が一日バスツアーでエルボルソンにやってき…

「焼き物展示会のお知らせ」

パタゴニアに来て、思いもかけなかった事はたくさん有りますが、その中でも「焼き物」との出会いは大きかったと思います。勿論“焼き物大国日本”で生まれ育ったのですから、焼き物は暮らしの中に何時もありました。けれども、自分が土をこね、作品をつくり、…

「生き方」

一周忌も過ぎたので、犬の「らくう」のことを書こうと思います。「らくう」はのうじょう真人の3代目の犬です。1代目の犬「ちょり」は、毛のくるくるしたとても可愛いオス犬でした。その「ちょり」がマジン地区に住むフランス人のおばあちゃんに気に入られ…

「パタゴニアの冬の楽しみ」

パタゴニアは一年で一番寒い季節になりました。よく日本の方から「そちらの冬 は北海道みたいなの?」と聞かれます。私は道東の標茶での酪農実習と、札幌の 農業専門学校での寮生活の経験がありますが、ここの冬はそのどちらとも違いま す。一番違うのは、一…

「エルボルソン ワールドカップ事情」

前回に引き続いてワールドカップのお話。サッカーの国アルゼンチンに暮らしていると、個人的には興味がなくても、全く 関係なく生活するという訳にはいきません。30年くらい前ですが、手術を受けるため麻酔をして手術室に運ばれた知人が、 「彼女は緊急じ…

「2010年 ワールドカップ」

ワールドカップ。いよいよ始まりました。サッカー国アルゼンチンに暮らしている者として、これほど「・・・ことはありません。」さて、私は「・・・」に何を入れるでしょう。パタゴニアに暮らし始めたのがワールドカップ米国大会の1994年。あの当時ここ…

「ローズヒップジャム」

パタゴニアの6月は日に日に日照時間が短く、寒さも厳しくなってきます。今では朝8時ではまだ暗く、犬たちとの散歩にも行けません。秋に紅葉で周りを彩っていた木々もすっかり葉を落とし、アンデス山脈も中腹まで雪をかぶりました。少し物寂しい冬の風景で…

「ローズヒップのジャム」

今年は春の訪れが遅く、花の季節の10月に季節外れの雪もあって、木苺やプラム、花梨の実がつきませんでした。ですから、恒例のジャムつくりも今年はほとんどしていません。家の脇のすっぱい青りんごは小さな実がついたので、それで3kgジャムを作っただ…

「パタゴニアの秋」

私は子供のころから秋が好きでした。暑かった夏が終わり、ぴりりとした冷たい空気を朝夕に感じるようになると、ホッとする様な安心感を覚えました。パタゴニアに暮らすようになってから、益々秋が好きになりました。山の見えない土地で育った私は、今、毎日…

「祭りのあと」

4月10日、ラゴプエロ市で開催された「民族祭り」。 日本代表として初参加してきました。21か国参加と聞いて、夫と参加国予想クイズなどをしていましたが、蓋をあけてみるとキャンセルした国も多く、13か国の参加でした。それでも、参加資格はラゴプエロ市ま…

「民族祭り」

4月10日土曜日、お隣の町ラゴプエロで「fiesta de comunidad」と言うお祭りがあります。アルゼンチンは、国民のほとんどが主にヨーロッパからの移民の子孫なので「何世ですか?」の質問に「イタリア3世です」とか「スペイン5世です」と言った答えが返って…

「方言の思い出」

アルゼンチンは広い国ですが、日本の様な方言はほとんどありません。けれども、イントネーションや発音の仕方で何となく地方性は出ます。ただ同じスペイン語でも、各国には独特の発音や言い回しがあり、南米を縦断してきたら、その違いに驚くことでしょう。 …

「観光お勧め月」

パタゴニアは日本ではまだあまり知られていない様ですが、ヨーロッパ、北米ではここ数年、人気観光地となっているようで、年末年始は多くの観光客が押し寄せてきています。キャンピングカーでゆったり回る年配ご夫婦や、バックパッカーの若者、ツアーの団体…

「私のお宝山」

パタゴニア緑化活動や友人たちとのキャンプなどで、夫は最近パタゴニアの内陸部、乾燥地帯によく行きますが、その反面、私は家に残って犬猫たちと留守番をすることが多くなっていました。それでもガソリン代が今ほど高くなかった数年前は、焼き物の材料探し…

「やっとこさ」

年末に財産であるノートパソコンを紛失して二ヶ月。本当はすぐにでも新しいパソコンを購入したかったのですが、やはりここはアルゼンチン。しかも私たちはパタゴニアの田舎町に住んでいるので、なかなか思うようにはいきませんでした。第一に、超インフレの…

「明けましておめでとうございます。」

可笑しなもので南米で暮らして20年近くにもなるというのに、 未だに真夏のお正月には馴染めません。やはり寒さと、こたつにみかんと、除夜の鐘と、お雑煮でなければ「年が改まった」という気持ちになれないのです。こちらの年末年始はクリスマスが 最大のイ…