時子のパタゴニア便り

1994年パタゴニア アンデス山脈の麓の村の5’5ヘクタールの土地に移住。ささやかな自然との暮らしの中で感じた事を書いていきます。

2007-01-01から1年間の記事一覧

「ピルテュリキトロン岳トレッキング」

エルボルソンの町のどこからでも見ることのできる山が2284mのピルテュリキトロン岳です。PILTRIQUITRONはインディヘナの言葉で、いつも雲が懸かっている山または雲を抱き込む山という意味だそうです。確かにこの山だけがボンとそびえ立っていてなかなか迫力…

「乾燥地帯のオアシス、サルティージョ」

エルボルソンから約170km東の内陸地にクサーメン(Cushamen)という小さな町があります。交通の便が不便でかなり内陸の乾燥地にあるため、ほとんど知られていません。私達がその町を知ったのは友人が見せてくれた写真からでした。彼は地元の友人の案内でクサ…

「エルボルソン のカベサ・デル・インディオ」

私達が引っ越し て来た頃、エルボルソンは小さなのどかな田舎町でしたが、一応観光地ということで、町の雑貨屋さんには絵はがきなどが売っていました。偶然辿り着き住 み始めたエルボルソンなので何も知らず、それらの絵はがきを眺めては「へ〜。こんな 場所…

「エルマイテンの蒸気機関車」

エルボルソンから東へ約60kmの所にエルマイテンと言う町があります。マイテンとはパタゴニア自生の常緑樹で「守り神の木」と言われ、この木の生える所には地下水があるとも言われます。冬でも青々と葉を茂らせていて牛や馬が好んで食べま す。山火事で焼けて…

「エプジェンの壁画」

エルボルソンから南へ約60km、チュブット州のエプジェン湖の南端にエプジェンと言う小さな町があります。国道を走っているとこの町がはるか下の方に見渡せる場所があり、秋はポプラの黄葉が見事です。以前は目立たないとても小さな町でしたが、近年は道路の…

「炎を見つめて」

焼き物の国日本で育ちながら、しかも瀬戸の近くに住んでいながら、私は焼き物に全く興味も関心もありませんでした。子供時代は高度成長期。家族は他県から移り住んだ典型的な核家族。その為か私はインスタント物大好き。安いもの大好き。使い捨て大好きの子…

「神様にお返しして」

小学生の頃読んだ忘れられない童話があります。 作者もわかりませんし、どこかの国のおとぎ話だったかもしれません。 詳しい内容は覚えてはいませんがこんなお話でした。 貧しい村の女の子が町のパン屋で働き始めます。店の人も良い人だったし、器量良しだっ…

「輝く山を見て」

パタゴニアは冬。8月になって日照時間も長くなりつつありますが、それでも夕方7時には暗くなり、朝は9時ころまで日が昇りません。アルゼンチンは典型的な夜型国民。レストランなど夜11時ころが子供連れの家族で賑わう時間ですし、コンサートなども真夜中から…

「寒波の贈り物を受け取って」

南半球のアルゼンチンは今、冬真っ盛り。地球規模の異常気象で、暖冬だったり雪が多かったりと予測もつかない冬を毎年迎えています。今冬はここ数年の暖冬から一転、寒さの厳しい冬を過ごしています。ただ雨や雪が少なく乾燥気味で、今から夏の干魃が思いや…

「石を割って」

「石を割って」子供の頃本を読むのが好きでした。野外で活動する事や自分で試してみる事が苦手で、本や学校の授業で学ぶ事が全て正しいと思っていました。私がパタゴニアで暮らして一番大きく変わったことは、「知識よりもやって見なければ分からない」と思…

「命を受け継いで」

「命を受け継いで」私達の主燃料は「薪」です。ですから春から夏の一番大切な仕事が「薪準備」です。 幸い5.5haの我が家には立ち枯れの木が沢山あり薪には不足しません。また、焼き物 の窯焚きは炎の延びる「松」を使います。松はここの気候に合うのか、成長…

「根を深く伸ばして」

「根を深く伸ばして」毎年新年に姉がカレンダーを送って来てくれます。日本のカレンダーは写真が綺 麗で友達へのプレゼントにもなるし、窯焚き日に大切な「大安」も分かるので、とて も嬉しい贈り物です。 今年は相田みつを氏のカレンダーがありました。一ヶ…

「全てに感謝して」

「ペリートモレノ岳の紅葉を見に行こう」その日突然そう思いました。 実はこの2ヶ月、夫が日本に一時帰国をしていて私は一人留守番をしてい ます。臆病な私は万が一の事を考え、一人では決して山に行ったりしません。特に今 の様に長期留守番をしている時は…

「木を飾る花を見て」

山の無い岡崎平野で育った所為か山が好きです。眺めるのも好きですが、登るの はもっと好きです。私の場合は軽登山で、若い頃はひたすら頂上を目指して歩き、山 頂からみる風景が好きでした。途中で食べるおやつやお弁当も楽しみでした。今、アンデス山脈の…

「子供の夢に遊んで」

私は、まだ話せない赤ちゃんが大好きです。先入観の無い透明な心やふ わふわぽやぽやの感触がとても可愛いのです。でも実は、子供がとても苦手なので す。 子供が苦手な原因の第一は、私に子供が居らず、どうやって子供と接し ていいのかよく分からないこと…

「プラムの香に包まれて」

人間というのは面白いもので、自分の興味や関心がないと、目の前に あっても気が付かない事が沢山あります。特に私のように「せっかち」の癖に「ぼや 〜」としている者は、人の名前も顔もなかなか覚えられないし、数字はからっきしダ メですし、酷い方向音痴…

「散歩をしながら」

ここに暮らし始めてから、毎日欠かさず続けている事の一つに朝夕の散歩があり ます。散歩と言っても、最初の目的は「農場の見回り」でした。私達がここを買う数ヶ月前に持ち主は別の場所に移り、住んでいたのは家を管理 するおばさんだけでした。ですから心…

「山に登って」

久しぶりにマジンにあるアンデス山脈の一つ、ペリートモレノ岳へ登ってきまし た。標高2216mのそれ程高くない山ですが、山頂付近には氷河もあり、ほとんど登山 客も居ないので私達の大好きな山です。この山に登るのはこれで何回目でしょうか?毎年一度は登っ…

「木イチゴを摘みながら」

年が改まってから、一滴の雨も降らないカラカラ天気が続いています。日中は直 射日光が強く、とても外には出られません。ですから私達は”遅寝遅起き”のラテン の習慣に逆らって、朝6時には起きるようにしています。そしてまだ日光が柔らかい 11時くらいまで…

「不思議な水たまりを見つけて」

夜の11時頃まで明るい夏のこの時期を利用して、家から約250kmの距離にあ るチリ国境近くの友人宅に、日帰りで行って来ました。 湖沿いに進む道は車も少 なく、綺麗な風景で快適なドライブでしたが、突然夫が「あっ!」と声を出しまし た。何事かと驚く私に …

「ルピナスの花に埋もれて」

年末年始の、のうじょう真人を彩るのは、何と言っても「ルピナス」です。 日本で は「ルーピン」と呼ばれているのでしょうか?藤の花を逆さに咲かせた様なので「登 り藤」とも呼ばれていた様な気がしましたが。 パタゴニアの自生では無く、ヨー ロッパ移民が…