時子のパタゴニア便り

1994年パタゴニア アンデス山脈の麓の村の5’5ヘクタールの土地に移住。ささやかな自然との暮らしの中で感じた事を書いていきます。

「春」

10月になりました。以前なら時の流れを早いと感じるだけでしたが、今は「凄いな。時の流れって素敵だな。おもしろいな。楽しいな。」と思っています。
この状況をどうしたら良いのか?どうすべきか?と考えてしまう事もあります。でも50年以上の人生でそう悩んだ場面も多かったし、どうやったらこの気持ちや状況から逃げ出せるのか?と地の底に沈んでいく様な時もあったけれど、その全てを通り抜けて、結構面白い“今“を過ごしているので、どんな時でも暗く悲観的になる必要は無いんだなと気付きました。それに悩んでも、悲観しても、他人や状況を恨んでも時間は過ぎていくのだから、そんな風に自分で自分を傷付けるより、その先を楽しみに笑って過ごす方がずっと良いと思うのです。

パタゴニアにも春がやって来ました。今農場はすももとさくらんぼの花が満開です。一昨年すももが豊作で梅干しを作ったらすごく美味しかったので、「来年は自然食の店に売り込みに行こう」と守銭奴的に卑しい考えを起こし、去年大量に作りました。ブログにも書きましたがその梅干し、漬け込みに失敗し、天日干しもきちんと出来ずとても売り込みに行く気にはなれませんでした。それで自分で食べたり、遊びに来てくれた友人などにおすそ分けしたりしました。自然の恵みをそんな風に売る事だけを目的にしちゃあダメだなと大いに反省しました。
ところが、どこでどう聞いたのか、先日自然食のオーナが「あなた、すももで梅干し作っているの?もし良かったら売ってみない?」と話を持ってきたのです。
ですから今年(仕込みは来年の2月になりますが)はまた、すももで梅干しを大量に作ろうと思っています。経済的に助かる事もありますが、それよりも「すももさん、実ってくれてありがとう。お日様、美味しい梅干しになれる様力を貸してくれてありがとう。そして買ってくれる人達、食べてくれてありがとう。」と感謝を込めて1つ1つの作業を楽しんで作るつもりです。

すももの他に露天風呂の横のさくらんぼも満開で、湯船に浸かりながらお花見を楽しんでいます。マルハナバチが蜜を吸いに来ていて、ブンブンと響く羽音を聞くのも楽しいです。

人の話題は「今年は異常乾燥だ。雨が降らず水不足がもう始まっている。山火事が多いだろう。アルゼンチン経済は破綻する。物が悪くて高い。政府の締め付けが厳しくなりますます暮らしにくくなる。治安も悪化している。」等々うんざりする事ばかりです。それは事実です。目をそらしてはいけない事です。でもそんな話題を繰り返すより、現実逃避だと思われても、山を見て綺麗だとか、花を見て春を感じるとか、そういった気持ちを大切にしたいです。

これからどんどん色んな花が咲きます。緑も深くなっていきます。
ああ、みんなと一緒に居るんだな。一緒に生きているんだな。そう実感する毎日です。


Tさんへ
手紙届きました。ブログいつも読んで下さってありがとう。
私の実践している西式甲田療法は即効性はありませんし、もしかすると注射や薬で治療するより精神的に厳しいかもしれません。でも、私は一生続けます。少食、断食はしょっ中脱線していますが、焦らず何年かけても良いから真の健康な暮らしを目指していこうと決めています。
批判はいつでもできるので、一度だけ実践してみてほしいです。今とは違う未来が見えてくると思います。
いつもTさんの全てに感謝しています。心安らかな日々を願っています。
心からありがとうございます。