時子のパタゴニア便り

1994年パタゴニア アンデス山脈の麓の村の5’5ヘクタールの土地に移住。ささやかな自然との暮らしの中で感じた事を書いていきます。

のうじょう真人から感じる治安

「治安は大丈夫?」
日本に住んでいる人からよくされる質問です。正直言って、答えるのはとても難しいです。
家を空ける時、たとえ場内でのきのこ採りでも鍵をかけます。
バイク、自転車は、車庫の中でもチェーンで柱に結びつけています。
友人以外の人には決して家の中を見せません。
二人で外出する時は、ラジオを点けっぱなしにし、大型犬天和(てんほう)を放しておきます。
知らない車が入ってきた時は、相手を確認するまで無防備に近づいたりしません。などなど、
それらは私達の生活ではごく当たり前の事です。いつも“自分の身は自分で守る”という気持ちを持っていますし、被害に遭うのは自分に油断や落ち度があるからだと思っています。万一何かあっても、警察(実は一番危なかったりして・・)や政府を当てにしません。そう思っているから、私はパタゴニアの治安は「悪くない」と答えます。でも人によって受け取り方は様々です。
日本ではごく普通の物、カメラでも服でも靴でも、ここマジン村では超高級品です。「郷に入っては郷に従え」の言葉通り、不便や理不尽に思えても、マジン流に過ごす事が一番です。そうすると、日本では見えなかった物が見えてきて、キラキラ輝き出すのです。
それに人一倍トロく、臆病な私が「治安が悪い」と感じていないのですから、あまり怖がらず一度遊びに来て下さい。・・・ただし、安心し過ぎて、のほほんとしているのも問題ですが。