時子のパタゴニア便り

1994年パタゴニア アンデス山脈の麓の村の5’5ヘクタールの土地に移住。ささやかな自然との暮らしの中で感じた事を書いていきます。

「観光お勧め月」

パタゴニアは日本ではまだあまり知られていない様ですが、ヨーロッパ、北米ではここ数年、人気観光地となっているようで、年末年始は多くの観光客が押し寄せてきています。キャンピングカーでゆったり回る年配ご夫婦や、バックパッカーの若者、ツアーの団体さんと、色とりどり?です。観光だけでなく、将来はこちらに移住したいと下見を兼ねて訪れる人も増えています。お陰で人口と地価が急上昇中です。

例外なくここエルボルソン地区も年末年始は観光客でごった返しています。人も車も増えるため、トロイ私は事故が怖く、この時期はなるべく町に行かないようにしています。クリスマスから二月末くらいまでは、飛行機も長距離バスも民宿、ホテル、貸し別荘などもどこも予約で一杯です。人が多ければそれなりにいろんなイベントもあるし、世界各国の人と知りあいにもなれるのですが、私個人としては、この時期の観光はあまりお勧めではありません。なぜなら湿気はないのですが、オゾン層の薄いパタゴニアの日差しは中途半端な強さでなく、その熱いことと言ったら。風も強い日が多いですし、花の季節でもなく、紅葉には早いし、川の水量も少なく、山の緑も乾燥と暑さで瑞々しさがなく心安らぎません。

ではいつがお勧めかと申しますと、断然今、三月です。長い夏休みが終わって学校が始まるので、子供連れの賑やかな(うるさいと思うのは私くらいかもしれませんが・・・)家族やヒッチハイクの若者がぐっと減り、町に落ち着きが戻ってきます。そうかと言って閑散としてしまう訳ではありません。宿泊施設も長距離バスもシーズン料金が終わり安くなります。まだまだ暑い日はありますが、それでも真夏よりはずっと過ごしやすくなります。

町中でも野生のハッカやカモミールが良い香りを漂わせています。アンデスの山も、少しずつ山頂から紅葉を始めますし、三月末から四月にかけては山も里も見事な紅(黄)葉が楽しめます。

人の好みは様々ですが、私は花の季節の十一月と紅葉と収穫の季節の三月四月をベスト観光シーズンとしてお薦めします。ただ、私個人としましては、パタゴニアはやはり厳しい冬が最高だと思っています。