時子のパタゴニア便り

1994年パタゴニア アンデス山脈の麓の村の5’5ヘクタールの土地に移住。ささやかな自然との暮らしの中で感じた事を書いていきます。

「やっとこさ」

年末に財産であるノートパソコンを紛失して二ヶ月。本当はすぐにでも新しいパソコンを購入したかったのですが、やはりここはアルゼンチン。しかも私たちはパタゴニアの田舎町に住んでいるので、なかなか思うようにはいきませんでした。第一に、超インフレのこの苦しい時期を乗り切ることに精一杯で、高価なノートパソコン購入の算段がつきませんでした。しかも、いけない事と知りながらもアルゼンチンと日本を比較してしまい、同じ値段で性能機能に天と地(アルゼンチンさんごめんなさい)程の差があって、購入の踏ん切りがつかずにいました。けれども地元のインターネットカフェでは日本語は読めても書くことは出来ないし、電話のない我が家では、ここ数年WiFiの恩恵にあずかり便利さにどっぷり浸かってしまっていたので、いまさら手紙でのやり取りに戻ることも難しくなっていました。

それでうだうだ考えることはやめにして、貯金をはたいて新しいノートパソコンを購入することにしました。
ところが購入はしたものの、コンピューターの言語機能は英語とスペイン語のみ。しかも接続は町でのWiFiなので日本語化に時間のかかることかかること・・・。と言ってもコンピューター音痴(無知)の私はただ夫に声援を送っていただけですが。

まだまだやらなければいけない作業はあるようですが、とりあえず私でもメールは書けるようになりました。
日本では考えられない様な苦労ですが、まあこれもアルゼンチン、パタゴニア暮らしの面白さという事でしょうか。
ところで、ノートパソコンを紛失した事を皆様心配して下さいましたが、日本に住む友人と、アルゼンチンに住む友人では感じ方が違って面白かったです。アルゼンチンに住む友人(アルゼンチン人も含め)は、「そうかお前もか・・・。」という感じで、日常茶飯事の出来事としてとらえ、自分の体験談をいろいろと語ってくれました。いやはや・・・。

パソコンが無い!と分かったその瞬間は頭から血の気が引いていくのが分かりましたが、いまでは「あははは・・・」と笑いながら話せるようになったので、私もすっかりアルゼンチン化したと言う事でしょう。
と言う訳で、しばらくお休みしていたパタゴニア便りを再開します。出来るだけこちらの自然の様子をお届けしたいと思っています。今後とも宜しくお願いします。

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写真解説


白く見えるのは火山砂です。チリのチャイテン火山から飛んできたものと思われます。
「パッソデルサッポ」という村から「ガストゥレ」という更に小さな村へ行く途中に見つけました。
火山砂が堆積した場所は所々で見かけますが、これほど白い場所はなかなかありません。
多分相当新しい火山砂なのではないでしょうか。早速次回の窯焚きにそのまま火前で焼いてみるつもりです。