時子のパタゴニア便り

1994年パタゴニア アンデス山脈の麓の村の5’5ヘクタールの土地に移住。ささやかな自然との暮らしの中で感じた事を書いていきます。

「祭りのあと」

4月10日、ラゴプエロ市で開催された「民族祭り」。
日本代表として初参加してきました。21か国参加と聞いて、夫と参加国予想クイズなどをしていましたが、蓋をあけてみるとキャンセルした国も多く、13か国の参加でした。それでも、参加資格はラゴプエロ市または近郊の町の居住者なので、13ヶ国集まっただけでもさすが移民の国だと感じました。
友人の日系家族Sさんとの共同参加で、他の移住者の方からの協力も得て、切り絵、ちぎり絵、墨絵、日本刺繍、横笛、折り紙などかなり本格な展示品が揃いました。
販売物は私が寿司セット、煎餅、くるみ味噌、豆腐の醤油煮、焼き物のお地蔵さま(勿論全て手作りです)。友人が今川焼き、折り紙のしおり、きんぴらごぼうと、こちらも自画自賛かもしれませんが、かなり日本的な物を用意できたと思っています。
習字や抹茶、そろばんの実演もやろうと準備し、夫もノートパソコンを持参して、和太鼓、琴、三味線などのビデオを流してくれましたが、販売の方が忙しく、加えて体育館の中だったので舞台演奏の音響の凄まじさに押され、興味を持ってくれた人は殆ど居ませんでした。

各国の文化を楽しむというよりも、踊って歌って騒いでと南米らしい乗りのお祭りでした。それでもアジアからの参加は日本だけとあって、会場の中ではかなり目を引く存在だったと思います。
「すし」の人気はこの田舎町でも高く、30食用意したセットが単価が他の国の料理より高めだったのに、あっという間に売りきれてしまったのには驚きました。また折り紙も人気があり、多くの人から「折り紙教室はやらないの?」と尋ねられました。(恥ずかしながら私は鶴しか折れません・・・)
残念だったのは、日本代表として舞台で踊りや楽器がなにも披露できなかった事です。私の日本語教室の生徒のタイスが浴衣を着て盛り上げてはくれましたが、準備期間が1週間しかなく、歌や踊りを披露するまでには至りませんでした。
さて、他の参加国ですが、私個人が一番おもしろかったのは「ボリビア」でした。赤とうもろこしで作った甘いスープ(おしるこの様でした)や、ジャガイモを凍らせて作った保存食など、知らなかったボリビア文化の一面を見ることができました。スペインはガスコンロを持ち込んでパエージャの実演販売をしていました。
もっと各国の店に行って料理を味わったり、話を聞きたかったのですが、自分の店番に忙しかったのと、人の多さに気後れして回れませんでした。

参加前に予想していたより、各国の文化紹介が少なかったのが物足りませんでしたが、今年で2回めという新しいお祭りです。きっと回数を重ねるうちに参加国も増え、各国の文化紹介にも工夫を凝らし、深みのある楽しいお祭りになって行くことでしょう。

私たちも、もう今から来年の計画を練り始めています。来年は電気の鉄板を持ち込んで「お好み焼き」を実演販売しようとか、抹茶コーナーを設けて落ち着いた雰囲気で味わってもらおうとか・・・。
主催者からの要望で、来年は舞台で何か披露しなければなりません。お祭り前に希望者をつのって盆踊りでも練習し、当日は浴衣を着て踊ろうか?と思案しています。でも浴衣の調達をどうしよう?踊りの練習をどうしよう?と悩みはつきません。
一芸のある方、ぜひ観光を兼ねて来年はこのお祭りに参加してみてください。大歓迎です。

最後になりましたが、参加国は「アルゼンチン」「ドイツ」「スペイン」「イタリア」「ウクライナ」「ロシア」「ボリビア」「チリ」「スイス、オーストリア共同出店」「オランダ」「フランス」「日本」「交換留学生(各国)」「バスコ(日本人には分かりにくい複雑な事情があるようです)」
弊サイトの動画コーナーhttp://www.nojomallin.com/index/cine.htmlにお祭りの様子をアップしていきますので、そちらも合わせて楽しんで下さい。

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写真解説

日本語教室の生徒さんに頼んで、着物を着てもらいました。
予想よりもはるかに面白かったですが、音楽が大音響で、五月蝿いのはラテンの血?