時子のパタゴニア便り

1994年パタゴニア アンデス山脈の麓の村の5’5ヘクタールの土地に移住。ささやかな自然との暮らしの中で感じた事を書いていきます。

うみだす幸せ

nojomallin2018-09-13

9月8日大安吉日窯焚きをしました。
実は7日は私の誕生日でした。お陰様でまた一つ年を取る事が出来ました。また無事に産まれた日を数えることが出来ました。
こうして生きている事が本当に有難いと思えます。自分の意思で体が動かせる事を幸せだと思えます。目標に向かって進んでいける今を贅沢だと思います。
この気持ちを形にしたくて、窯焚きをしました。
粘土の塊から阿吽の対にした動物たちを、ただ楽しんで作りました。自分で作って言うのも何ですが、粘土から生まれてくる動物たちが愛おしくて可愛くて、これから一緒にここで生きていこうね、よろしくね、という気持ちで一杯でした。
今回は、我が家の犬たち、テリーとフィナと黄金の故郷である動物保護協会(と言っても個人の活動ですが)へ寄付できたらという思いもありました。夏に彼女たちは資金集めの為、街で手作りジャムや採れた果物を観光客に売っています。その中に私の焼き物も混ぜてもらって、資金の一部にしてもらえたらと思ったのです。
朝の5時から焚き始めました。
9月はいつも風の季節で、アンデスの谷間から強い西風が吹き下ろします。風があると火事が怖いので心配でしたが、前々日に雨が降り周りが湿った上に、全くの無風でした。午前中は震えるくらい気温が下がり寒かったですが、日中は快晴で暑くも寒くも無く、とても穏やかで気持ちの良い日になりました。正しく窯焚き日和でした。
大体予定通り11時間で窯どめしました。
今回はただひたすら楽しかったです。
生きていくには色んなことがあるけれど、恨みも悔しさも虚しさもまだまだあるけれど、そればかりじゃない。見方を変えれば世界はなんて輝いていることか。
私の中で、感謝の気持ちが大きく育って来たのがわかりました。
割れてしまった作品も、石粉の配合が多く釉薬が溶けなかった作品もあり、反省点は一杯ありますが、私は満足でした。
これから夏は生活必需品の薪準備が忙しくなり、落ち着いて作品が作れませんが、焦らない焦らない。私は私の時間の流れの中で、私らしく過ごそうと思います。
今ここにいる事、いられる事。私を支えてくれる全てにありがとうと言い続けていきます。
そして読んで下さってありがとうございます。

うまくアップ出来るかわかりませんが、窯出し直前の窯の中の写真です。
もう一つは同じ粘土で、同じ釉薬で、ほとんど同じ場所で焼いたのに、色が全く違ってしまった阿吽招福猫です。面白いですね。