時子のパタゴニア便り

1994年パタゴニア アンデス山脈の麓の村の5’5ヘクタールの土地に移住。ささやかな自然との暮らしの中で感じた事を書いていきます。

「有言実行。髪、生やすぞ!」

尊敬する人が難病と闘っています。
今のところ命に別条はないそうですが、進行が早く非常に発病率の低い病気で、それだけに治療法も見つかっておらず、とても辛そうです。
私は簡単に「辛そう」と書けますが、本人の気持ちはそんな3文字の言葉では表現できないものがある筈です。
遠く離れているので、日常生活のお手伝いはおろか、手を握ってあげる事さえできません。
周りの人をとても大切にする方で、何時も明るく前向で、こんな状況になるなんて想像も出来ませんでした。そしてそれは本人が一番感じているでしょう。
発病当初は「がんばるね。」「きっと良くなると信じてる。」とメールをもらえましたが、最近ではメールを開けるのも、読むのも、当然書く事も困難になっているようです。
時々届くメールもほんの数行の短いもの。それでも最後は必ず「何時も応援している。」と優しい言葉で締めくくってくれます。

手紙なら気分の良い時に読んでもらえると思い、下手でも自分の文字で書いて出しています。
なるべく明るい話題を探し、季節の移り変わりの美しさ、そして感謝の気持ちを伝える様にしていました。
でも何通目かの手紙を書いている時に、気付きました。
私は何時も「絶対治るから、自分の力を信じて。」と書き続けてきました。でも人になら誰だって、なんだって言えます。
「自分を信じる。自分の治癒力を信じる。絶対諦めない。」
でもそんなことみんな思っている事。信じている事。それでも現実に向き合うと、病気の重さに押しつぶされてしまう事に。言葉だけじゃだめなんだって。だから軽々しく使ってしまった「自分の力を信じて病気を治す。」を実行する事に決めました。

実は私、髪の毛がどんどん抜けています。上から見ると地肌がくっきり見えます。はっきりした原因は分かりませんが、病院へ行ったり、薬や養毛剤を使う気はありません。資金が無い事もありますが、病院や薬で問題解決した人は殆どいないからです。今はスカーフやヘアバンドで誤魔化しています。鏡をみると落ち込むので見ない様にしています。
もう年なんだし、これが自然なんだから仕方ないと、自分を誤魔化し諦めていました。
でもこれじゃ何の解決にもなりません。

私は大好きな人に「絶対治る」と言い続けています。そしてそれを信じています。だから自分にもその言葉を言い続けます。
「絶対髪は再生する。生えてくる。生やして見せる。人間の持っている治癒力は凄いんだから。」

マッサージやハーブ、食事療法、その他ここで出来る、自分で出来る方法で、そして気力と信じる力で。
時間は掛かっても絶対諦めません。私の髪が再生したら、薄っぺらだった私の言葉にも重みが出てくるでしょう。

「私でも出来たんだから、絶対大丈夫。だれでも必ず出来る。」
そう自信を持って宣言できる日が一日でも早く来るように、有言実行。

「髪、はやすぞ〜!!」