時子のパタゴニア便り

1994年パタゴニア アンデス山脈の麓の村の5’5ヘクタールの土地に移住。ささやかな自然との暮らしの中で感じた事を書いていきます。

はーるよ来い。はーやく来い。

9月21日、アルゼンチンは暦の上では春になります。

本来なら畑も薪準備も始まっている頃ですが、今年は雨雨雨…

薪小屋の薪も非常に心細くなってきています。

私自身が数年前に比べても、去年に比べても、出来ることがぐっと少なくなっているので、ボランティアは貴重な助っ人なのですが今年はまだあまり問い合わせがありません。

何時迄もボランティアに頼っているんじゃ無く、もっと真剣にこの先数年のことを考え行動して行かなきゃと心を引き締めています。

 

2年前に新しい友人から鉢植えをもらいました。我が家は日があまり差し込まず暗く寒いので、観葉植物を育てる場所がなく、最初はちょっと戸惑いました。「この子は強いから大丈夫」と言われましたが、家で一番日が当たる台所の窓辺に置きました。

2年間、大きくなりもせず、そうかと言って元気が無くなることもなく居続けてくれました。

3ヶ月くらい前に、ふっと鉢を変えてあげようかなと思い立ち、真冬でしたが一回り大きなプラスチックの容器に移し替えました。すると、1週間もしないうちに新芽が3個出てきて、あれよあれよという間に大きくなっていったのです。

命はなんて正直なんだろうと、感動しました。そして今までこの子の声を聞くことをしなかった自分を反省しました。

家の中では置く場所がなく、これ以上大きな容器に移し替えてあげることは無理で申し訳ない思いです。

 

時々、本当に時々、先の事を考えて落ち込みそうになることがあります。もともと私は根暗で悲観論者なのですが、パタゴニアで暮らしている内に自分でも驚くくらい(大丈夫、何とかなるよ)と、気持ちを切り替える事が出来る様になりました。

私が引き受けた4匹の犬達と30年一緒に成長してきた農場の自然達が物凄い力になってくれていると実感しています。

だから大切に大切に思い続けて行きたいです。

 

これから少しづつ暖かくなっていきます。植物も成長を始めます。芽を出した鉢植えさん。名前も知らなくてごめんね。でも一緒に生きていこうね。ありがとう。

 

 

 

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