時子のパタゴニア便り

1994年パタゴニア アンデス山脈の麓の村の5’5ヘクタールの土地に移住。ささやかな自然との暮らしの中で感じた事を書いていきます。

パタゴニアの秋の中で

あっという間の秋になりました。

夕日に当たってポプラが黄金色に輝いています。取りきれずに木に残ったままのりんごが、寒い朝はショーベットの様にシャリシャリになっています。

風が吹く度に、色付いた葉が美しい演舞を披露してくれます。

そしてあっという間に冬になっていくのです。

 

今夏は薪の準備や畑仕事だけでなく、農場プロジェクトをボランティア達と色々実行しました。始まる前は頼りにしていた男性が意見の違いから抜けて、正直、私主体で何ができるんだろう?と不安にもなりましたが、やるしかないよ!何んでもやってみなきゃあ!と言う開き直りと、何が出来るかなっと言う大きなワクワクから出発しました。

声に出して夢を語る事で、その都度助けてくれる仲間が集まりました。

 

プロジェクトと言うには些細なことばかりですが、全てが自分の豊かな経験となりました。自分の周りに作っていた厚い壁がまた少し壊れていった気がします。

 

今度の日曜日にプロジェクト最後の味噌麹ワークショップをします。一回で終わるはずが、希望者が多く三回の開催になりました。最後のワークショップは隣のチュブト州、サンタクルス州、バリローチェから会ったこともない人たちが来てくれます。

まさかここパタゴニアで味噌の人気がこんなに出るなんて移住当初は思いもしませんでした。

前回の参加者から、栗で味噌を作ってみると連絡が来て、味噌と麹の輪が楽しくパタゴニアらしく広がっていく様で嬉しいです。

 

プロジェクトを実行したので薪の準備が進みませんでしたが、こちらの方も来週手伝ってくれる人が現れました。

大豆の大量購入とか、雨漏りとか、ネズミ問題とか、温水器の故障とか、日本での口座問題とか、一時帰国とか、体調不良とか問題山済みですが、あまり神経質にならず解決して行こうと思います。

今までだって色々あったけど、今それなりに楽しく暮らしているのだから。

 

冬の前にプラムで作った梅干しの天日干しをしなければいけません。天気を読みながら三日三晩の快晴を選びます。が、秋は天候不順でなかなか難しいです。

予報では曇り雨でしたが、どう見ても快晴が続きそうだったので思い切って半分だけ干しました。

3日目の今日は空が薄雲に覆われてしまいました。「えーん、天気予報当たらないで!」と願っています。

 

里は黄色に。アンデスの山はえんじ色に染まる美しい秋を楽しみたいと思います。

 

 

農場へ行くポプラ並木

赤くなれ!プラム梅干し