時子のパタゴニア便り

1994年パタゴニア アンデス山脈の麓の村の5’5ヘクタールの土地に移住。ささやかな自然との暮らしの中で感じた事を書いていきます。

大好きオーラ

秋口、急に気温が下がり寒い日が多く、どんな厳しい冬が来るのかと思っていましたが、6月になってからは、雨の多い割と暖かい日が続いています。

暖かいと言ってもマイナスに下がらないだけで、日中でも15度を超える日はあまりありません。

雨で外仕事をする事もなく、薪ストーブの燃えた家の中で過ごすので暖かいと感じているだけかもしれませんが。

今年は友人と共同で畑を作り、水やりもたっぷりした甲斐があって、とても多くの収穫がありました。中でもキャベツが50球近く大きく育ち、先日友人と半日かけてザワークラウトを作りました。

少しづつ食べ始めていますが、生姜やこしょう、ハーブ類を入れたいろんな味を作ったので、味比べも楽しいです。

最近はそのザワークラウトと豆腐をフライパンで軽く炒め醤油か味噌で味付けした、私流いい加減料理をよく作ります。最高に美味しいと、1人悦に入っています。1人暮らしの気軽さと嬉しさです。

さて、そんな呑気な生活を楽しんでいますが、最近また楽しみが増えました。1ヶ月くらい前から、可愛い訪問者がやってくる様になったのです。

我が家のワンコたちは基本的に人好きですが、誰か来るととりあえず、わんわんと大騒ぎします。その日も犬たちが吠えるので外へ出てみると、遊びに来た友人の周りを我が家の3匹の黒犬と、1匹のクリーム色の大きなワンコが取り囲んでいました。

「えっ!誰?どこの子?」

その存在があまりにも自然で、我が家のワンコたちも気に留めてもいない様でした。

それからほぼ毎日訪れる様になりました。

近所の人に聞いても知らないと言うし、会った事もない子だったので、どこの子なんだか想像もできません。

朝来て一日中いる事もあれば、昼頃現れ直ぐに消えてしまう事もあります。

帰っていくので捨て犬ではないと思い、おやつもご飯もあげません。我が家のワンコたちのご飯の時間にいる時は、喧嘩されたり、優しい悟りの分を横取りされると困るので、裏の木に繋がせてもらっていますが、びっくりするくらい素直に待っています。

昨日は大雨だったのですが、朝暗いうちにもう居て、軒下で寝ていました。

雨の日は我が家のワンコ達は家の中で過ごしています。一度だけ一緒に家に入りたがりました。

濡れてベタベタで可哀想で思わず入れてあげそうになりましたが、もしここに居ついてしまったら、待っている家族が心配するだろうと思ったのと、唯一の男の子の大将が、怒って唸ったので、慌ててドアを閉めました。

最近では私は勝手に「バターくん」と呼んでいます。

悟りとフィナは仲良く遊んでいますが、大将は「運臭い奴」と思っている様です。相手の体が大きいので喧嘩はしませんが、要注意です。

何がいいのか?何を気に入ってくれたのか分かりませんが、私を見て尻尾を振り、後に付いて回ってくれると、本当に嬉しいです。

この子はきっと私の粗探しする事なんてしないんだろうな。私も、どんな人にでも、この子の様に大好きオーラを発して接して行かなきゃと感じています。

 

もし来なくなったら、この子の家族は安心するだろうけど、私は少し寂しいです。

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バターくん