時子のパタゴニア便り

1994年パタゴニア アンデス山脈の麓の村の5’5ヘクタールの土地に移住。ささやかな自然との暮らしの中で感じた事を書いていきます。

面白い。面白い。

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豆腐作りに挑戦中




 

 

10月からworkawayaという制度でボランティアを受け入れています

これは宿と食事を提供する代わりに仕事を手伝ってもらうというものです。

世界中に受け入れホストがあります。

会員になった人が自分の行きたい場所で受け入れホストを探し、直接連絡し、条件が合えば滞在します。

条件は千差万別。でも1日5時間、週5日の労働が相場のようです。

何年も前からこの制度を利用している友人が、登録してボランティア受け入れたらと言ってくれていましたが、登録が英語だったし、見知らぬ外国人と生活を共にするのが億劫だったりで、真剣に考えませんでした。

でも体力的にも一年分の薪準備がきつくなってきたし、作業に以前より時間がかかるようになったし、若い頃人見知りで臆病だった自分が、パタゴニア生活でどんな風に変わったのかなあと興味もあって、英語のできる友人に助けてもらって登録しました。

自己紹介で日本人移住者だという事、豆腐や味噌を作っている事、日本語を教えている事、焼き物の穴窯や蹴ロクロがある事、自然に寄り添った暮らしをしている事、仕事は薪準備や畑仕事などの肉体労働を手伝ってもらいたいと書きました。

 

便利な場所でも無いし、楽な仕事でも無いし、特別楽しい事がある訳でもないし、英語も話せない、スペイン語も下手な日本人のおばさんの所に連絡が有るとは正直思っていませんでした。

 

ところが登録してサイトに載ったら直ぐに連絡がありました。

 

日本文化に興味がある

日本に行って大好きになった

菜食主義だ

焼き物に興味がある

豆腐作りを学びたい

 

基本的にカップルか女性を受け入れることにしました。

今までにブラジル人カップル。フランス人女性とポルトガル人男性のカップル。アルゼンチン人カップル。日本人女性。フランス人と日本人のハーフ。日系人。アルゼンチン人父娘。イタリア人女性。ドイツ人女性。フランス人女性。アルゼンチン人女性が来ました。

 

全員と仲良く楽しくやれた訳ではありません。でも「うえ~、使えないなあ…。」「なんつう厚かましさ!」と呆れる事はあっても、それが笑いを伴う気持ちだったし、

「もういい加減にして!うんざり!」と思うことも無く、

来てくれてありがとう。会えてよかった。また会いたい。と思う出会いの方がずっとずっと多いです。

労働力としては当初期待したようにはいきませんが、経験もない人たちにいきなりそんな事を期待する方が間違いだと気付きました。それに絶対やらなければいけないことじゃないけど、やれたらいいなあと思っていた事が一つ一つ実現していきました。

畑にかつてないほど野菜が育ち、乱雑だった倉庫も綺麗になり、倒れていた柵が直り、家中の窓拭き、車道の草刈り、穴窯の補強、野外テーブルが出来ました。

私の暮らす私の農場が私らしく整ってきた気がします。

人と暮らす事が窮屈で息が詰まっていたけれど、人と接することは本当はこんなに豊かな事だったんだと分かりました。

他人の評価を気にせず、自分らしくいて、自分を好きになって、人を認めた時、私を巡る世界は大きく変わりました。

人生の中で、去年から今年にかけてが、心に残る新しい出会いが一番多くありました。

人生は面白い。

改めてそう思います。

 

ボランティア達とのあれこれは次回から紹介していきます。