時子のパタゴニア便り

1994年パタゴニア アンデス山脈の麓の村の5’5ヘクタールの土地に移住。ささやかな自然との暮らしの中で感じた事を書いていきます。

驚きだった。私の体。

 

パタゴニアは先週はずっと雨、曇りの天気で風も強く、一日中薪ストーブを焚いていました。

ブエノスアイレスから数年ぶりに友人家族が遊びにきてくれましたが、2歳の息子は外で遊べずエネルギーを持て余していました。

私の暮らしに興味を持って連絡をくれた日本人の女性も滞在していて、賑やかな一週間でした。

 

彼らが帰った日から天気が回復し、日中薪集めをしていると汗ばむ陽気になりました。

極端な温度変化に体調を崩さないように気をつけています。

 

ところで、先月からヨガを始めました。

「ええ~?」

日本での私を良く知っている友人はきっとそう驚きの声をあげるでしょう。

自慢ではありませんが、私は体が硬く、がさつで乱暴なので、子供の時から走ったり泳いだりは好きでしたが、床体操やダンスが大の苦手でした。

小学生の頃から基礎体力診断での前屈で指が床に着いた事がありませんでした。

良くロボットみたいな動きだとからかわれていました。

町にはヨガ教室がいくつもあり、私の周りでもヨガ教室に参加している人は沢山います。でも私はあまり興味がありませんでした。

ただ私には厄介な持病があり、動物性タンパク質を取らない食事療法、西式健康体操、温冷浴を続けていますが、最近「あれ?ちょっとまずいかな?進行しちゃってるかな?」と思う事が重なりました。

そんな時にヨガを続けている若い友人が、近くでやっているから参加しないかと誘ってくれました。歩いて行ける距離で午前中にやっているので最適だったのですが、木曜日、私が豆腐の卸と日本語教室をする為町に行く日と重なっていました。

ヨガをしたいというよりも、新しい何かを始めてみたいと思っていました。町ではヨガだけでなく、気功や太極拳など色々な教室がありますが、わざわざ車で通うのも大変ですし、殆どが夜なので諦めていました。

その時は「残念」で終わりました。

ところが彼女がヨガの先生に私の事を相談してくれて、みんなと同じ料金で、私の都合の良い日に私の家に来てくれる事になったのです。

先生、ファビアはお隣さんですが、彼女の家から我が家までは、何軒か人の土地を通り、獣道みたいな道を歩いて20分ほどかかります。それでも毎火曜日、午前10時から1時間半私だけの為に通ってきてくれます。

 

始めてみて分かりましたが、私には体の柔軟性が殆どありませんでした。関節もガチガチで平行感覚もなく、みんなが当たり前にできる事が何一つ出来ません。自分でも驚く程、覚えも要領も勘も悪く、ファビアも困っているでしょう。

そしてヨガを始めた人が言うような、心と体のリラックス、開放感、安定感が感じられないのです。

 

私は肩凝りが有りません。数年に一回くらい肩や首が痛いなあと思う程度です。での私の肩に触った人は全員、凄い肩凝ってる、ガチガチだよと言います。

自覚症状がゼロの肩こり症です。自分で辛くないんだから良かった!と思っていましたが、ヨガを始めて分かりました。

先入観を持たずに何でも受け入れ試してみようと思っていたけれど、実際は私は心も体もガチガチに固まって厚い壁を自分の周りに作っていることに。それは自分が辛くないから良かったではなく、気付かないうちに大切なものをどんどん失っている事なんだと。

 

心も体も柔らかく。私の人生の目標が一つ加わりました。

 

ファビア、ヨガの先生とは思えない体型なんですが(失礼)、柔らかくて平衡感覚あって、やっぱり凄いなあと感心しています。

ケシの花が咲きました。前に住人が植えた花です。草刈りさえしませんが、来た時から見事な花を咲かせてくれています。

 

 

 

 

 

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