時子のパタゴニア便り

1994年パタゴニア アンデス山脈の麓の村の5’5ヘクタールの土地に移住。ささやかな自然との暮らしの中で感じた事を書いていきます。

「一年の終わりに。グラシアス」

2015年ももう終わりです。
今の自分が自分である事、今の生活が自分の生活である事が不思議な気がする一年でした。その位この一年は私にとっては重く、自分を取り巻く環境、人間関係、価値観が大きく変わりました。本当に大変な時、困った時、悩んだ時こそ人が学ぶ時だと聞いた事があります。
私も何かを学んでいかなければと思います。
最近猫のたみっこを見送りました。今年は別れの年でした。
去年の末にびんちゃんが逝ってしまってから、お豆もパクもそしてたみっこも旅立って行きました。
犬猫達が幸せに天寿を全うするまで此処で頑張ることが、目標の一つでした。そして最後に私一人が残る事も覚悟しているつもりでした。でも本当は、みんなに囲まれ何時までも何も変わらない生活が続いていくと思い込んでいました。だから今はとても心細く寂しいです。
パクもたみちゃんも数日は苦しそうでしたが、最期の時はとても静かで穏やかで、私に一番可愛い顔を残していってくれました。黄泉の国へ旅立って行ったけど、生きるという事を教えてくれました。
「お疲れ様。ありがとう。」
別れの度に繰り返す言葉です。
犬の伏姫と猫の福。今はこの子達と過ごす一瞬一瞬がとても愛おしく感じます。

年末のパタゴニアは、寒くて一日中ストーブを焚く日があるかと思えば、日中炎天下では30度近くまで気温が上がる日もあり、この気温差には何時も驚かされます。
さくらんぼが赤く色付いていますが、手の届かないほど木が成長していて、小鳥達がさえずりながらついばんでいるのを 眺めるだけです。
アンデスの山百合アマンカイが咲き始めました。ローズヒップの花も満開です。秋に実を乾燥させお茶を作ろうと思います。
すももは殆ど実が付きませんでしたが、りんごはびっしり付いています。秋の収穫が楽しみです。
こうして自然の流れの中で、淡々と過ごしていられる今を大切にしていきたいと思います。
一年間ありがとうございました。
そして来年もよろしくお願いします。
皆様にとって2016年が安らぎに満ちた豊かな年となります様に。