時子のパタゴニア便り

1994年パタゴニア アンデス山脈の麓の村の5’5ヘクタールの土地に移住。ささやかな自然との暮らしの中で感じた事を書いていきます。

「パタゴニアで囲炉裏を囲みどぶろくを飲む」

「ええっ?パタゴニアのどこに囲炉裏があるの??」
と聞かれたら、今は「知りません」と答えるしかありません。でも今年中には絶対土間と囲炉裏とかまどのある小さな長屋風の家を、ここ「のうじょう真人」に作るのが私の目標です。そう夢じゃなく目標です。
この4月、私にはこれからのアルゼンチン生活を問われる出来事がありました。
「私はこれからどう生きて行けばいいんだろう」
「何が本当にしたいんだろう」
「人生の目標って何だろう」
まるで十代の若者の様な事を真剣に考えました。ただ何となく楽しいから、好きだから、面白いからと生活してきたけれど、それだけではもうだめな事 に気づきました。そして思春期の時のように苦しんで悩んで、落ち込んだり立ち直ったりを繰り返し、やっと自分の目標をはっきり見つける事が出来ま した。
一番強く誓ったのは犬や猫たちに辛い思いをさせずに寿命を全うさせる事。それは私の責任だと思っています。
そして生涯のテーマ焼き物に出会え、日本語を教えることで世界が広がり、味噌や豆腐作りを通して日本の食文化の素晴らしさに気付き、アルゼンチンで友人が出来、私は私なりに19年間ここで築いてきた物があると分かりました。だからどんなに大変でも、ここにいる事を大切にしていこうと決めました。
日本は大好きです。そしてパタゴニアも同じくらい大好きです。
家を作りたいと思ったのは、私にどれくらいの事が出来るのか試したかった事、いつも応援してくれる姉が勇気ある投資を私にしてくれた事、多くの人 にこの暮らしの醍醐味を体験してもらる宿泊用別宅が欲しかった事、シンプルな暮らしが出来る小さな家に住みたかった事、長期の同居人を探していて その為のプライベートな家が必要だった事・・・色々あります。ずっと温めてきた夢でしたが、今回の出来事をきっかけに思いきって一歩踏み出して みました。自分で家を建てることは出来ないので大工さんに頼みますが、私のこだわりは、江戸時代の裏長屋みたいな小さいけどぬくもりのある家にすることで す。だから台所を土間にして、板の間は40cm立ち上げて縁の下を作り、囲炉裏とかまどを作り、出来れば入口は引き戸にしたいのです。
でもこちらの大工さん、煉瓦積みは早くて上手だけど、引き戸は作れないし、囲炉裏なんて見た事も無いだろうし、土間は汚い!!縁の下は軽石か煉瓦 を詰め込まないと寒い!と言われてしまいました。自分で出来ないんだから無理は言えませんし、資金の関係で使える資材も限られていますし、高い人件費で予算オーバーにならないように良く話し合わなければなりませんが、土間と囲炉裏だけは絶対に譲れません。
超インフレのアルゼンチンですから、必要資材は大体買いそろえました。
4m×5mの小さな家の設計は私が無い頭を絞って考えています。10月末から施工予定です。
「面白そうじゃん」って、もし思った方がいらっしたら、是非是非一緒にパタゴニアで囲炉裏のある長屋作りをしましょう!!アイデア参加も大歓迎です。お知恵拝借させて下さい。
日本から一番遠い地球の裏側で、一生に一度くらい変わった面白い体験してみましょうよ。ここは特別魅力のある場所でもありません。大自然という程の所でもありません。不便で何もないところです。でも日本や観光地には無い面白さはあります。参加したことで何かが変わるかもしれないし、何も変わらないかもしれません。でもきっとパタゴニアで汗を流した、自分の力で何かをした、アルゼンチンの普通のくらしにふれたという経験は残り、日本や自分を見直すきっかけになるでしょう。。
新築の家で、一緒に汗を流した仲間と囲炉裏を囲んで自家製 どぶろくを自作のぐい飲みで飲む・・・これは私の夢です。
詳し事はおいおいこのブログで紹介していきますが、直接メールでお問い合わせください。お待ちしています。muishizen8@hotmail.co.jp
下の写真は建築予定地と、そこから見たアンデスの山です。



「ここに建てます」

「こんな風景が見えます」