時子のパタゴニア便り

1994年パタゴニア アンデス山脈の麓の村の5’5ヘクタールの土地に移住。ささやかな自然との暮らしの中で感じた事を書いていきます。

「パタゴニア犬、パクの変貌」

二枚の写真、一年前と現在の同じ犬です。
犬だって年を取れば白髪になるし、体系も顔つきにもそれなりの貫録が出てきます。私の愛犬2003年2月生まれの「パク」、当年9歳5カ月。中型犬なので、まだそれほど年という年齢でもないと思うんですが、この変貌は何なんでしょう??
事の始まりは昨年の夏。目の周りをしきりに気にしているので見てあげると、皮膚病か毛がはげ始めていました。最初は気がつかないくらい小さかった のですが、日に日にそれが目立つようになって来ました。
こりゃあいかん!と私は皮膚病に効く手作りのイペリクン(オトギリソウ)の油を一日数回患部に塗っていました。
半月もすると禿げるのはなんとか治まり掻かなくなったので、やれやれ・・・後は毛が生えるのを待つだけと思って一安心していました。そして毛はきちんと生えてきました。ところが、生えてきた毛は見事な白 だったのです。そして不思議な事にその白毛が周りの黒毛をどんどん浸食していって、頭の上にあった黒い点まで消えてなくなって、一カ月もしないうちに何とも 間抜けな?容姿に様変わりしていたのです。
それと同時に体の黒毛の部分にもバンビの様な白い斑点が一杯でてきました。確かに以前の様な元気さは無くなりましたが、今でもぼろ靴が大好きで何時もくわえていますし、投げてやると喜んで追って行きます。食意欲もあるし、歯も奇麗だし、老人犬特有の匂いも出てきていません。
一体何が彼を変えさせたのでしょう?
この顔でじっと見つめられると、申し訳ないと思いつつ「ぷっ」と吹き出してしまいます。
ぷっと吹き出しながら、気づきました。
私はあまり笑わないから一緒に居て楽しくないと最近身近な人から言われました。パクはそんな私を心配して、何時も笑わせようとしてくれているのかもしれません。
「大丈夫だよ、パク! 人からどう言われようとなんと思われようと、私はここが大好きで今の暮らしを十分楽しんでいるし、一杯笑っているよ。私を明るいと評価してくれる友人だっているよ。一緒に一杯笑いながら、真っ白な犬になるまで長生きしてね。ありがとう。」