時子のパタゴニア便り

1994年パタゴニア アンデス山脈の麓の村の5’5ヘクタールの土地に移住。ささやかな自然との暮らしの中で感じた事を書いていきます。

「民族祭」

4月17日日曜日。お隣の町ラゴプエロ市で今年も「民族祭」がありまし た。これは移民の国アルゼンチンらしい楽しいお祭りで今年3回 目です。
私も昨年に引き続き「日本」代表として参加しました。
参加国はアルゼンチン、アラブ諸国イスラエルギリシャ、ベルギー、バスコ (独立国として参加)、アイルランド、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、ポーランドウクライナ、ロシア、ボリビアパラグアイ、チ リ、ブラジルそして日本。
アジアからの参加が日本だけなのは少しさびしい気もしますが、ここパタゴニアに はまだそれほど東洋人の移住者は多くないので仕方ありません。
それぞれのスタンドにはお国自慢の料理や民芸品、紹介パネルや写真が飾りつけら れます。そして販売もOK。私も日本人移住者、日系人の先 輩友人と協力し、飾りつけを工夫しました。アルゼンチン大使館文化センターから譲って頂いた日本文化紹介の雑誌「にっぽにあ」スペイン語版を 閲覧自由したら、とても人気がありました。特に「歌舞伎」特集が人気でした。
販売は「海苔巻き」「せんべい」「大福もち」「どらやき」「おにぎり」「ふかし 饅頭」を用意しました。ただ材料調達が難しいので、せんべいは干米を揚げ、大福もちはマンジョウカのでんぷん粉から、まんじゅうの中身はおか らの味噌味と、かなりパタゴニア的になってしまいましたが・・・。(でも、日本食の紹介として決して恥ずかしくない物だと自負しています)
昨年は寿司セットがあっと言う間に売り切れたので、欲張って今年も海苔巻き17本、軍艦巻き7本、握り100個 を作り、セットを50食一人で準備しましたが、売り足が鈍 く「余ったらどうしよう・・・」とかなり焦りました。
今年は舞台演技をするように言われ、芸のない私は日本語教室の生徒さんに泣き付 き、ワンブリーさん一家に「北風小僧の寒太郎」の歌。合気道初段のレンソさんに模範演技を披露して頂けることになりました。また昨年検定試験 に合格して益々日本語に燃えるメルセデスちゃんには浴衣を着てもらって日本のスタンドに花を添えてもらいました。
浴衣の着付けや舞台準備、接客に忙しく、また身動きできないほどの人出で、今年 はほかの国のスタンドを見学したり、舞台演技を見たりするゆとりが全くありませんでした。
終了までには食べ物はほぼ完売し、余るかと心配したすしセットは足らないくらい でした。
今年は開催式の時に日本の為に一分間の沈黙(日本の黙とうにあたります)があ り、見知らぬ人からもお見舞いの言葉を頂きました。
忙しく疲れましたが、私にはとても充実した一日でした。ただ自分をものすごく 恥、反省もしました。それは舞台演技してくれたワンブリーさん一家は彼らの友人にサックスの伴奏を頼んでくれましたし、レンソさんは道場の先 生と一緒に模範演技をして下さいました。それらは貴重な時間を使い、2週 間前から練習を重ね準備してくれたものです。また、日本紹介のとても素敵なDVDを 作って下さった方もいます。
私は気軽に「日本代表」参加しますと手を挙げたけれども、こうして陰で支え助け て下さる人たちが居なかったらどうなっていたことでしょう。自分では何一つ出来ず、人に頼ることしかしないみっともない自分を本当に反省しま した。
みなさん、本当にありがとうございました。