時子のパタゴニア便り

1994年パタゴニア アンデス山脈の麓の村の5’5ヘクタールの土地に移住。ささやかな自然との暮らしの中で感じた事を書いていきます。

「ラゴプエロの民族祭り」

今年もまたお隣のラゴプエロ市の民族祭りに”日本代表”として参加させて頂きました。今年で4回目のお祭りですが、私たち日本は2回目から参加し ています。年々参加国も増え、訪れる人も多くなってきています。
アジアの参加は残念ながら日本だけです。ここパタゴニアの田舎町でも、寿司は人気があり、誰が作っているのか不明ですが、時々「寿司出前します」 の広告が町の掲示板に貼ってあったりします。私も一度アルゼンチン人の友人が作ってくれた巻寿司を頂きましたが、材料は良いのに、米を煮る習慣か らかべちゃべちゃで酸っぱいだけの寿司でがっかりした事があります。ですからこういう機会に”日本人の作る寿司”を紹介しようと俄然張り切りまし た。
材料は簡単に手に入るもので野菜、きのこ、手作り豆腐(揚げ豆腐にしましたが)、おからを醤油と味噌で味付け、海苔巻き、軍艦巻き、毬寿司、握り (これは結構偽物ですが)を詰め合わせ、見た目にもこだわりました。
共同参加の友人はちらし寿司とシイタケやかにかまの入った本格的な海苔巻セットを作り、合わせて50食分用意しました。価格は少し高めに設定した のですが、あっという間に売り切れてしまいました。そして嬉しい事に「美味しい。」と評価して頂き、個人注文や料理教室の依頼もありました。ただ ど素人の私が調子にのって引き受けちゃっていいのかなあ?という思いもありますが。
寿司の他には干し米から作ったせんべいと自家製どぶろくを持っていきましたが、どぶろくの方はいまいちアルゼンチン人の口に合わなかったようで す。
本当はおまんじゅうやみたらしだんご、アンパンなども作っていきたかったのですが、今年はいろいろあって落ち着かず出来なかったのが残念です。
昨年は舞台発表が義務で、アルゼンチン人の友人に泣きついて、”北風小僧野の寒太郎”の合唱と合気道の模範演技をしてもらいましたが、今年は何も しませんでした。実は盆踊りをしようとブエノスの移住の先輩にご教授頂いたのですが、とても発表できるまで覚えられませんでした。でもさすが目立 ちたがりのアルゼンチン人(私のような一世移住者はまれで殆どの人が3世4世でした)。「我も我も」と発表したがる人が多く、時間が足りずに、不 参加でも何も言われませんでした。でもこういう時に和太鼓や尺八、三味線などの演奏、日本舞踊が発表できれば、真の日本文化紹介になったことは間 違いありません。
忙しい一日でしたが、多くの人と話が出来、楽しい一日でした。
鬼が笑うと言われるかもしれませんが、来年はもっと多くの種類の日本料理、和菓子をマスターして持って行きたいし、日本茶や抹茶も用意してみよう か・・と早くもプランを練っています。また日本らしい飾り付けも工夫するつもりです。毎年4月の第2か第3日曜日に開催されます。参加者は全員地 元の移住者で、和気あいあいとした雰囲気のお祭りです。その時期アルゼンチンに旅行を計画されていたら、ぜひ参加出来るよう日程を調節してみてく ださい。お待ちしています。
お祭りにはミス、準ミスラゴプエロの女の子も参加し花を添えていました。