時子のパタゴニア便り

1994年パタゴニア アンデス山脈の麓の村の5’5ヘクタールの土地に移住。ささやかな自然との暮らしの中で感じた事を書いていきます。

ボルソンの花見

10月15日日曜日 エルボルソンの日本人会主催で花見をしました。

日本人会といっても日本パスポートを持っている日本人は私を含めて5人で、しかも会に参加するのは私とお父さんがカナダ人のハーフの男性2人だけです。

日本人の血が入っている会員は子供も含め60人近くいますが、日本語は話せず日本へ行った人もほとんどいません。日本好きなアルゼンチン人もいます。

今年は春が遅くまだ満開とは行きませんでしたが、翌週の日曜日は大統領選があるので決行しました。

今年で4回目の花見。私は去年からの参加となります。

去年は習字体験会をしましたが、今年は先生となってくれるガビーさんが不参加で中止にしました。(私はもう実行する気力や元気がないので)

回を重ねるごとに会員以外の多くの人が参加してくれるようになりました。

お寿司やお饅頭などの日本食は会員が作り無料試食会としています。私はお寿司を作れるだけの経済力はないので味噌クッキーとしょう油味揚げパンを作っていきました。

私の味噌クッキー。事あるごとに作るのですが、珍しい事もあって何処でも人気があります。ただこれが日本に普通にあるお菓子とは言い難いですが。

町には大きな八重桜が二本あります。40年以上前、アルゼンチン人と結婚した日本人移住者の女性が移植した木だそうです。(今はもうここには住んでおられません)

満開の時期は多くの人が写真を撮っています。どうやって増やすんだ?と聞かれますが、私には分かりません。接ぎ木で増やせるのかもしれませんが、未だに増えずにここにしかないことを考えると、難しいのかもしれません。これだけ大きく育っていると流石に盗んでいく人もいないです。

移植した当初、小さな苗木をこっそりと持って行ってしまう人がいなかったのは、アルゼンチンでは珍しい事なので、のどかな田舎町だったんだろうなと思いを馳せます。

桜は花の下で多くの人が楽しそうに過ごしてくれる事が好きで喜んでいると、どこかで読んだ気がします。

南半球の小さな町で、日本の桜見を紹介している事が嬉しく、私にとっても楽しい春の行事です。

 

今年の農場は木の花がとても見事に咲いています。生きていることは美しいな、楽しいなと花を見ながら感動しています。