時子のパタゴニア便り

1994年パタゴニア アンデス山脈の麓の村の5’5ヘクタールの土地に移住。ささやかな自然との暮らしの中で感じた事を書いていきます。

パタゴニア竃

さあ、ジャム作り


夏があっという間に終わろうとしています。

今夏は体験農場としての基礎作りに力を入れました。

ボランティア宿泊施設の充実、バイオトイレ、カエル池、犬の大将の新居と専用プール、堆肥箱、自家菜園、餅つき書き初めイベント、味噌と麹のワークショップ。

目標はほぼ実現出来た気がします。

最後の作業としてかまど作りをしました。最初はレンガを組み立てて簡単に作ろうと気軽に思っていましたが、友人に相談したら色んなアイデアを出して協力してくれました。

露天風呂と煙突を共有して風の日でも安心して火を燃やせるように考えてくれました。

レンガを組み立てて土台を作り、周りを砂と乾草を混ぜ合わせた粘土で固めました。結構な重労働でしたが、土に触れる作業を面白いと感じてくれるボランティアたちで、作業はどんどん進みました。

1日では出来ずに、日を置いて次に来たボランティアと最後の仕上げをしました。

日本のかまどとは違う、パタゴニアのかまどが出来ました。

初の料理はアルゼンチン定番家庭料理のレンズ豆シチューをボランティアが作ってくれました。

日本から持って来た「つばがま」がいい仕事をしてくれ美味しいシチューが出来ました。

2回目はプラムのジャム。

新しく来た2人のボランティアは、アウトドア派で薪の使い方も良く知っていて、新しいジャムの作り方を習いました。一晩果実と半分の重さの砂糖を混ぜてねかせ、翌日煮るのです。

砂糖が半分で済むのは大きな魅力です。私はジャムを食べませんが、来年のボランティア用にプラムとりんごのジャムを大量に作っておくつもりです。

 

自分の終わりを思うことが増えました。

農場や動物たちの将来は考えますが、自分の将来の夢や希望はあまり考えません。私が色んな事をするのは、今を楽しみたいからです。「いつか」という気持ちは無くなりました。今我慢しておけば、これから役に立つだろうとか、いつか使うかもしれないとか考えるより、今を楽しもう、今を充実させようと強く思います。

 

来週からはかまどの屋根作りをします。私は何も出来ないけど、こうして力を貸してくれる人が居る、そこから形になっていく。それは奇跡のような出来事だと思います。

ここで生きられて良かったと心から感謝しています。

世界唯一、露天風呂合体かまど