時子のパタゴニア便り

1994年パタゴニア アンデス山脈の麓の村の5’5ヘクタールの土地に移住。ささやかな自然との暮らしの中で感じた事を書いていきます。

もう秋です

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馬も舗装では膝を痛めそうで可哀想です

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パタゴニアでは梅の実は実らないので、プラムで梅干しを作ります



雨が上がってみると、アンデスの山が雪化粧していました。快晴ですが、吹く風が肌を刺す様に冷たい訳です。

もう4月。里のポプラが黄金に輝き、山の南極ブナが赤く色付きます。美しい秋の到来です。

 

今年は林檎の実が1つも付きませんでした。農場には種類の違う30本以上林檎の木があるので、どんなに不作の年でもゼロという事はありませんでした。我が家の林檎の木は、殆どが種から育ったもので、剪定も施肥もしていない野生の林檎です。

去年は大豊作で収穫したものを一つ一つ紙に包んで箱詰めし、12月位まで食べていました。勿論ジャムも、薄切りにした乾燥林檎も、酢も作りました。酢は想像以上に美味しく出来、今年も仕込もうと思っていたので残念です。

プラムは数本の木に実がついてくれて、なんとか3キロくらい収穫できました。

梅干し(プラムボシ)にしました。

去年味噌を卸しているお店に試供品として持って行ったら注文が入る様になり、今年も持って来てとお願いされていたので、ゼロでは無くてホッとしました。でもボランティア用のジャムは作れませんでした。

あと2週間ほどしたら菊芋を掘ろうと思います。菊芋の味噌付けは私は大好きなのですが、他の人にはあまり人気がありません。菊芋はどんな年でも収穫があり、とても強い植物なので、根気よく普及に努めたいと思います。

 

時間が流れて行きます

月日がどんどん過ぎて行きます

世界がめまぐるしく変わっています

 

そして私自身も変化しています。

出来なくなったことも多くて、不便なことも増えたけど、嬉しいことや心安らぐこともいっぱいあります。

微笑むことができる自分に、今の暮らしに感謝します。

それだけで十分なんだと思います。

 

私が住むマジン地区の周遊道路も、半分が舗装に変わりました。夏の砂埃問題や、ガタガタ道での車の故障が減り喜ぶ人が増えましたが、今度はスピードを出して走る車の騒音に悩まされることになりました。

私の家は周遊道路の真ん中あたりにあり、良くも悪くもあまり影響はありません。

残り半分の舗装も数年のうちに実行されるでしょう。

車が走りやすくなり、砂埃の問題も解決しますが、私は舗装には賛成できません。舗装にするために木が切られ、車がスピードを出して走る様になって野うさぎや鶏、犬猫たちの交通事故、車同士の事故が増えました。

でも舗装を止める事は出来ません。今は写真の様な標識があって、マジン地区らしい雰囲気を残しています。でもきっと何年かのちには、馬で移動する人もいなくなっていくでしょう。

 

「昔は良かったなあ」なんて言う年に自分もなりました。でも無理してでも「将来が楽しみだな」と言おうと思います。粗探しは簡単です。でも心は晴れません。それならば心が喜ぶ事を見つけそれを磨いていこうと思います。

何よりも、今ここにいる自分を楽しみたいと思います。