時子のパタゴニア便り

1994年パタゴニア アンデス山脈の麓の村の5’5ヘクタールの土地に移住。ささやかな自然との暮らしの中で感じた事を書いていきます。

自慢のエディちゃん

街の友人宅から


5月末から連日氷点下の日が続いています。早朝はマイナス5度から7度まで下がり、日中も気温は上がらず凍らせてしまった水道管が溶けずに、2週間以上蛇口から水の出ない日々を送っています。水は常に外の2つの600リットルタンクに貯めていて、いつもその日に必要分を表面の氷を割ってポリタンクに入れ運んでいます。ところが、そのタンクの水がだんだん心細くなってきています。30年ん近く住んでいて、こんな事初めてです。

でもまあ、タンクの水が無くなったら、100m離れた水路から直接バケツで水を汲んでくれば良いことなんだし、何とかなるでしょう。それに、こんな生活をしている自分が面白く、それができる自分に感謝しています。

 

山に囲まれた土地ですが、我が家からは地形の関係で山があまり見えません。それで雨上がりに街に行くと、真っ白に雪化粧している山が見え、その迫力、美しさに毎回毎回慣れたり飽きたりする事なく感動しています。

 

冬の前に必ず車の準備をします。と言っても私は何も分かりませんので、オイル交換をしタイヤのローテーションをし、バッテリーの状態を確認するだけですが。

日本ではお目にかかれないと思いますが、私の車は2003年型の左ハンドルのトヨタハイラックスです。

アルゼンチン、特に地方の街では車の整備所は沢山ありますが、ちょっと車に詳しいからとか、人より道具を持っているからとかの結構(可成り)いい加減な整備場が多いです。また、オリジナルの部品を使わずある物で代用したり、解体して組み立て直した後、部品が余っても、まっ良いか!みたいな事も多々あります。自分で応急処置しながらだましだまし乗っている人もいます。(ずいぶん以前ですが、ブレーキの効かない車に同乗して恐ろしい思いをしました)

ですから高いですが、信頼できる友人が利用している車整備場に私もお願いしています。

 

新車はとてつもなく高価で、その後の税金も高く、この街で買える人は殆どいません。けれども中古車で快適に乗れるものを探すのも物凄く難しいです。それで車を買い替えたい人達は、いつもアンテナを張っています。

 

バッテリー交換に行った時、お店の人に

「この車いつ売るの?売るときは絶対知らせてくれ。」と言われました。

実はこう言われたのは初めてではありません。

親しい友人からも頼まれていますし、ガソリンスタンドでも、駐車場でも知らない人から話しかけられます。

 

勿論売る気は全くありません。売ってしまったら新車を買うのは不可能だし、中古車で私が乗りこなせる車に出会う可能性はゼロに近いです。何よりも売買にかかる手続きの煩雑さを思うとうんざりします。

それに亡き父からの援助で手に入れることができた車です。エディちゃんと呼んで(ナンバープレートがEDYなのです)15年近く一緒にいる私の大切な相棒です。

離れる気はありません。

 

でも、こうして結構注目されて人気があるのはエディちゃんの魅力が輝いていると言うことで嬉しいものです。

反面、車の中の私も見られているということで、あんまり恥ずかしい事は出来ないなあ、譲り合いの安全運転しなきゃあと心がけています。

 

来年エディちゃんは20歳。州によって違いますが、税金が免除になりなす。

古い車ほど税金が安く、車検も免除になります。なんか変だなと感じますが、そこがまたアルゼンチンの面白いところです。

 

毎日楽しい事を見つけ暮らしていこうと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

エディと虹