時子のパタゴニア便り

1994年パタゴニア アンデス山脈の麓の村の5’5ヘクタールの土地に移住。ささやかな自然との暮らしの中で感じた事を書いていきます。

2020年 ありがとうございました。

2020年が終わります。

世界が大きく変わりました。最初は戸惑ったけど、あっという間にそれにも慣れて、困ったとか苦しいとか不安を感じることもなく過ごしています。

何が真実で、何が嘘で、どんな風にコントロールされているのか、誰がどんな目的で世界を動かそうとしているのか?

溢れる情報を見れば見るほど混乱します。

幼い頃から信じて常識だと思ってきたことが、「あれ?変だな。」「いやそれは違うよ。」と感じることの方が多くなってます。

ずっと握りしめていたものがありました。本当はもう手が痛くて嫌な臭いもしているのに変化が怖くて手離せませんでした。その手をばちんと叩かれて、思わず開いてしまって慌てたけれど、無くしちゃダメだと思い込んでいたものがこぼれ落ちたら、空になった手の中にどんどん思いもしなかった暖かい優しい思いが入ってきました。

変化は怖いです。先が見えなかったらなおさらです。だから取り敢えず我慢できる今のままでいいやと、思ってしまいます。でも今は、変化は面白いと思うことができます。困ったことや苦しいことも、それを解決していく自分を凄い!凄いよ!と褒めてあげられます。

 

日本ではおめでたいとされる松竹梅。今頃は門松が飾られてお正月気分を盛り上げていることでしょう。

パタゴニアにも松があります。松ぼっくりの化石があるので外来植物とは言えないはずですが、他所者で、自生の植生を壊す、他の植物の栄養を取ると、成長が早くタネでどんどん増えていく松は嫌われています。

農場内にも松が増えました。もう切ることができないほど大きく成長した木も多いです。あまりに成長が早いので、去年から申し訳ないと思いつつのこぎりで切れる大きさの木はどんどん切っています。

水分が多く長持ちせず柱などの材としては使えませんが、火力が強く炎が伸びるので、すぐに燃え尽きてしまいますが、窯焚きや、寒い日の薪ストーブには最適です。

また私は焚き付けには松葉と松ぼっくりを使います。未だに火をつけるのが下手な私でも、松葉と松ぼっくりはあっという間に火をつけてくれる力強い味方です。

パタゴニアの松。

数年前に日本人の建具屋さんが「ここの松は面白いな。松葉が三葉だ。日本の松は二葉なんだよ。」と教えてくれました。私はそんな事全然知りませんでしたし、考えて見た事もありませんでした。そして日本の職人さんは凄いなと感心しました。

松ぼっくりも大きいです。風の日に木からぼとりと落ちてきた松ぼっくりに当たったら怪我します。先が棘のように尖っていて痛いですし。

クリスマスツリーの飾り用に色をつけて売っている人もいます。

大松の下にはこんな大きな松ぼっくりがジュータンのように敷き詰められています。

夏の間にこれを拾って、朝一年中つける台所用薪ストーブの焚き付け用に大袋に何袋も詰めておきます。

木を切り、枝を整理し、運び、薪を割り、松ぼっくりを拾う。そんな作業が楽しいです。随分作業速度は遅くなって無理はできなくなったけど、動ける自分と、ここの自然達に感謝しています。

 

2020年にありがとうと言って終わろうと思います。そして2021年をありがとうと感謝しながら迎えます。

 

感謝する理由が分からないのなら、間違いは君の中にある

アメリカ先住民ミンクアス族の言葉です。心に響く言葉です。何時も噛み締めています。

 

今年一年、お付き合いいただいてありがとうございました。

2021年もどうぞよろしくお願いします。

誰もが幸せを感じる年が訪れますように。

 

 

 

 

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もっと大きい子もいます

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三葉の松葉