時子のパタゴニア便り

1994年パタゴニア アンデス山脈の麓の村の5’5ヘクタールの土地に移住。ささやかな自然との暮らしの中で感じた事を書いていきます。

「パタゴニア初の囲炉裏」

調べたわけではないので「多分」ですが、パタゴニア初の囲炉裏が出来ました。
と言っても、まだ火を入れたわけではありませんが・・・。
家を作ろうと決めた時、絶対譲れない物として「囲炉裏」がありました。それで暖をとるとか、料理をするとか正直あまり考えていませんでした。ただ 囲炉裏端に座ってどぶろくを飲みたいと言うのが私の夢でした。
町に下りるたび、ネット検索で囲炉裏つくりについて調べました。そして益々囲炉裏のある暮らしに憧れました。大工さんにも囲炉裏を作るつもりだと 伝えておきましたが、やはりしっかり理解してもらう事は出来ず、遅れていた材木が届いたら、急ピッチで建設を進め、あっという間に床部分も作って しまいました。ですから材木と材木の感覚が60cmほどしかなく、とても囲炉裏を作る大きさが確保出来ませんでした。
それでも諦めきれずに、土間に作ろうか?組立移動式を作ろうか?といろいろ可能性を考えましたが、材料、経費、手間などの関係から、やはり床の一 部に組み込んで作る事に決めました。
小さくても気持ちの問題。囲炉裏のある暮らしが楽しめるだけ幸せです。
底には家の壁を作った穴空き煉瓦を敷き、周りは素焼き煉瓦を並べました。耐火煉瓦はあまりにも高価なのでパス。そして形が決まったら農場の粘土に 石灰を混ぜた物を3回塗り重ね、半乾きの時に石で磨きました。
周りの木の加工は建具師の息子である夫が日本の道具を使って丹念に作ってくれました。
早く灰を敷き、炭で火をおこしてみたいですが、なにせやる事がや山積みで未だに試していません。でも楽しみは後に取っておく事にします。

家は今土間のたたきにかかっています。地味な仕事ですが、結構肉体労働で疲れます。
またかまど風ストーブも作っています。こちらは火がよく走る事や熱効率、外観美なども考えたので、何度も煉瓦を組み直し、アイデア補修しました。
どちらもゆっくり乾かしながら進めますから、完成まではもう少し時間がかかりそうです。
此処まで完成が遅れたのですから、もう全然焦っていません。それよりも作っていく過程を楽しみたいと思います。窓には連子格子、屋根には陶器の しゃちほこ、壁はしっくい。夢はどんどん広がります。
まだまだやる事はいっぱいありますし、家つくりの他にも薪準備、陶芸用粘土つくりなどもしなければいけません。
一緒にやってみたいと興味を持たれた方、期間は問いませんので一度連絡してみて下さい。
家つくりがひと段落した時、一緒に囲炉裏端でどぶろく飲みたいですね!!