時子のパタゴニア便り

1994年パタゴニア アンデス山脈の麓の村の5’5ヘクタールの土地に移住。ささやかな自然との暮らしの中で感じた事を書いていきます。

「きのこ きのこ きのこ」

今年は珍しく夏に雨が降り気温が下がった為か、我が家はきのこが豊作でした。前々回紹介した「ヌメリイグチダケ」の他にも「なめこもどき」「くり たけ」「しょうろ」がいつもより多く出ました。そして幻のきのことなりつつあった「ちょりきのこ」も大量に出て、久しぶりにバター炒めやてんぷ ら、みそ汁の具といろんな料理法で楽しむことが出来ました。
「ちょりきのこ」というのは私が勝手につけた名前ですが、色や雰囲気が今は亡き愛犬 「ちょり」にそっくりなのです。写真の白っぽいきのこがそれです。これは保存すると香りと食感が失われてしまうので、見つけた日に料理して頂くこ とにしています。きのこをほとんど食べない地元の人も、このきのこだけは「ミラネサ(パン粉をまぶして油で揚げる料理です)」にして食べるくらい 誰にも好かれる美味しいきのこです。珍しさから言ったら「ジャオジャオきのこ」が王様でしょうが、「ちょりきのこ」はバター炒めの王様だと思いま す。

ポプラの下に出るのは「なめこもどき」。これも私が勝手につけた名前ですが、茹でこぼすとぬめぬめが出てきて大根おろしと和えるともう天下一品。 日本人好みのきのこです。でもぬめりものの苦手なこちらの人は手を出しません。「くりたけ」は木の株にかたまって出て、なめこもどき程ではありま せんが、茹でこぼすとやっぱりぬめりが出ます。

「しょうろ」は日本でも幻のきのこと呼ばれているそうですが、ここでも泣けるくらい減ってしまっています。松露と書くそうですが、お汁物に絶品 で、香りがとても良いきのこです。

秋になってきのこ狩りをし、それをその日の内に頂くと、しみじみ「日本人で良かったなあ」なんて思ってしまいます。

さて、そんな訳で今年はきのこをいつもより多く楽しむことができましたが、驚くこともありました。それは写真の赤いきのこが初めて突然生えてきた からです。日本の本には毒きのこの欄に載っています。絵本の小人の国に出てくるような大げさで派手なきのこで楽しいのですが、今までこちらでは見 たことはありませんでした。どうして突然我が家に生えてきたんだろう??と不思議です。今のところ一か所に、6本だけしか見つけていません。来年 はどうなるか分かりませんが、どうして生えてきたのかお分かりになる方がいらっしたら、ぜひお教えください。

パタゴニアに駆け足で秋がやってきました。紅葉も始まっています。これから4月末までが紅葉の美しい季節です。薪ストーブを一日中焚く日も近づい ています。4月15日日曜日はお隣の市ラゴプエロで民族祭りがあります。今年も日本代表として参加させて頂きます。16カ国以上が参加予定だそうです。お時 間のある方、ぜひいらしてください。