時子のパタゴニア便り

1994年パタゴニア アンデス山脈の麓の村の5’5ヘクタールの土地に移住。ささやかな自然との暮らしの中で感じた事を書いていきます。

「ジャオジャオきのこ」

11月 は私にとって美味しい月です。多分一年で一番「食べられる野草」の種類が多いのではないでしょうか。
自生の木シプレス林に生えるきのこ「あみがさたけ」
南極ぶなの幹に出る「ジャオジャオ」きのこ
ホップの新芽
葉も茎も花も全部利用できる「たんぽぽ」
ネマガリタケの竹の子
ローズヒップの新芽
貧乏人の傘の茎(ひどい名前ですがそう呼ばれています)
野生大根の葉
15年前種を播いたけど、今では完全に野草化したチディビア
オオバコ、クローバー、アカザ、コンフリ
日本の野草、山菜に比べたら、本当に種類も量も少ないですが、それだけに私はパタゴニアの野草たちがいじらしく、美味しく感じます。

どれが一番とか順位をつける気はありませんが、日本では珍しい「ジャオジャオきのこ」は我が家自慢の山菜です。
木の幹にこぶの様に出てくるこのきのこは、初めて見た時は色といい形といい、とてもきのこ、とも、食べられる、とも思えませんでした。地元の人は食べませんが「生のまま食べる」と言う事だけは言い伝えられていました。生 食では臭みが強かったので、煮たり焼いたり干したり、試行錯誤の末、茹でてわさび醤油で頂くのが最高に美味しいと分かりました。茹でることで 出てくるほんのりとした甘み、粘り、こりこり感。我が家では贅沢なわさびと醤油ですが、このきのこを楽しむ時だけはふんだんに使います。
出るのは決まった南極ぶなの木だけで、期間も2週間程度です。若いと硬く、時期 を過ぎるとぶよぶよになって虫が入り最後には木化してしまうので、旬の時期に収穫しなければなりません。
この時期に我が家に宿泊すればご馳走できます。興味のある方は事前に必ずご連絡 を。突然の訪問はお断りしていますので、ご了承を。
「ジャオジャオきのこを食べる」をパタゴニア旅行の目的のひとつにしても面白い かもしれませんね。
ただし、山や自然公園内で勝手に収穫するのは禁止です。“とる”のは絶対に写真 だけにして下さい。お願いします。