時子のパタゴニア便り

1994年パタゴニア アンデス山脈の麓の村の5’5ヘクタールの土地に移住。ささやかな自然との暮らしの中で感じた事を書いていきます。

私らしさ

あれよあれよと言う間に、8月も1週間以上過ぎました。

例年ならまだまだ寒く雪が降る事もあるのですが、今年は気持ち悪いくらいの暖かさです。朝、豆腐作りの為薪ストーブをつけますが、それが終わったら、薪を足さずにそのまま火を消してしまう日が続いています。今までと違い、レンガの大型ストーブを作ったので、暖気が室内に残っていることもあるかもしれませんが、それにしてもこの時期にストーブを焚き続けないなんて、考えられないことです。(ちなみに今の室温は17度です。)

雨が多いのは冬のパタゴニアらしく良いのですが、山でも雪ではなくみぞれが降っている様で、晴れ間に見える山頂は雪が少なく、夏の水不足が今から思いやられます。

北半球の猛暑のニュースを見ると、それがこのままこちらの夏に当てはまる様な気がして恐ろしいです。

でも悪い想像ばかりして不安がるのも、今を大切にしていないことになるので、明るい話題を探して笑って過ごさなきゃあ勿体無いですよね。

 

私はがさつで女の子らしさのない子供でした。人と接することも苦手でした。体育や水泳の時の着替えも早く、何時も一番に更衣室を出て外にいました。他の子の様におしゃべりしながら、ゆっくり丁寧に身だしなみを整える事が出来ませんでした。

ですから良く、Tシャツを裏返しに着ていました。似合う似合わないよりも、シャンプーも梳かすのも楽な短い髪が好きでした。

同級生の様に「重~い」「熱いわ!」と可愛らしく言うことも無く、力持ちで頑丈なことが唯一の長所でした。可愛い事は自分に一番似合わない事だと自覚していました。

それはずっと変わらなかった気がします。

でもアルゼンチンの田舎暮らしでは、周りが私以上にがさつな所があって、日本にいた頃のような窮屈さを感じずに済みました。

 

先日町に行って靴を脱ぐ事がありました。アルゼンチンでは珍しい事ですが、ヨガなどで使う教室ではたまにあります。その時、自分の脱いだ靴を見てビックリしました。左右別々の靴を履いていたのです。どうしてこんな事が起こるのか?と自分でも呆れました。この靴で半日街を歩き回っていたのです。呆れたものです。

そしてまた別の日、友人宅の姿見の鏡に映った自分を見て吹き出しました。靴下が左右違うのです。靴履き違いした時に反省したばかりだったのに。

 

面倒くさがりで、がさつで、何事もいい加減な計画性の無い私を嫌った人もいて、それをいつも気に病んで来たけれど、迷惑かけて無ければ良いんだと思えるようになりました。

なるべく丁寧に慎重に過ごしていくつもりだけど、失敗したら「あははは…。」と笑い飛ばせるくらいに心を頑丈にしたいと思います。

 

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