時子のパタゴニア便り

1994年パタゴニア アンデス山脈の麓の村の5’5ヘクタールの土地に移住。ささやかな自然との暮らしの中で感じた事を書いていきます。

秋の入り口

今年は寒さが早い気がします。

4月に入って、薪ストーブを焚く日が増えました。今日は朝からずっと焚いています。

外は快晴。真っ青な空が広がっています。

畑で枯れているエンドウを収穫して来年の種にしなければいけません。

花が咲いたキクイモもそろそろ収穫を始め、次回味噌を作る時、一緒に漬け込もうと思います。

今日は、夏にこちらに来て、コロナウィルスでの外出禁止令で帰れなくなった若者が、昼食と交換で、薪割りに来てくれます。

林檎も鳥やアシナガバチに食べられてしまう前に、収穫をしてしまいましょう。でも上の方のは彼らに残しておきます。

今年はプラムで作った梅干しが甘くて酸味が少なく、ちょっと残念です。

豆腐作りや日本語授業の準備がなくなった事以外は普段と全く変わらない毎日です。

 

昨日約1ヶ月ぶりに街に行き、買い物をしました。私1人なら、一冬くらいの蓄えはありますが、大切な家族のワンコたちの食べるものが心細くなってきたからです。

外出禁止令の街の様子がどうなっているか、興味もありました。

でも車も少ないとは言え走っていましたし、警察の検問に止められることもなくスムーズで、多くはありませんが散歩している人も見かけました。マスクをしている人は皆無でした。

銀行や大型スーパーの前には短いですが列ができ、皆十分に間隔を開け待っていました。食料品店、八百屋、パン屋が開いていました。物は豊富にあり、値上げもありませんでした。

外出禁止と言っても、ほとんどの家には庭があり、観光客の来ない街は広場も公園も十分に場所があるので、出歩けないストレスの人は殆どいないのでは?と思いました。

 

私は必要なものだけ買ってすぐに戻ってきて、暫くは街には行かないつもりです。

 

日銭暮らしの私は、現金収入が無くなったのは多少辛いですが、亡き姉の遺してくれた貯えが少しあり、すぐに困ることはありません。でもこの街に多いアーティスト達は本当に困っているようです。自分は何とかなっても、犬達のご飯が買えなくなった。助けて。とFBで回ってきたりします。

 

日本では緊急事態宣言で騒いでいるようですが、アルゼンチンでは全土で一斉に突然外出禁止令執行。突然休校。突然州境閉鎖。突然バスや飛行機の運休。本当に驚くような強引さ、速さです。 

問題はあるかもしれませんが、わたしは今回の件に関しては、ヨーロッパやアメリカ合衆国を見ていて、このくらいはっきりしている方がいいと思いました。

また友人の話では国民と2年以上この国に住んでいる永住権取得の外国人にも一律に現金支給(17万円位)があると言うことで、私にも権利があると言う事です。名前と国民番号の申請だけで手続き出来るそうです。

 

「大丈夫か?」

「困った事があったら直ぐに連絡して。」と、近所の友人達が来てくれたり、メールをくれたり、何か新しいニュースがあったら教えてくれたり、私は一人じゃないんだなと、暖かい優しさに包まれている事を実感しています。

そして最新の注意をして、皆で助け合おうと行動している人が多く居て、私はますますここが好きになりました。

 

この先の世界の進み方を時々考えます。

自然と共存していこうとする人と、科学の進歩を信じてますます自然から離れて行く人とはっきり分かれて行くと思います。

どちらが良いとか正しいとか、そんな議論は必要なくて、これから自分がどう生きるかだけなんだろうなと思います。

人の選択を自分が変える事は出来ないけど、自分の選択は自分で出来るので、私が多く抱えているしがらみや欲や執着を少しづつ捨てて、自然から学んで、これからを選択し続けようと思っています。

 

1日も早いコロナウィルスの終息を心から願っています。

 

 

 

 

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久しぶりに菊芋の花が咲きました。花のないこの時期に嬉しいです。