時子のパタゴニア便り

1994年パタゴニア アンデス山脈の麓の村の5’5ヘクタールの土地に移住。ささやかな自然との暮らしの中で感じた事を書いていきます。

「漢字の魅力」

日本語と習字教室をエルボルソンの文化センターでしているので、時々「自分の名前を漢字で書いて欲しい。」と言って訪ねてくるアルゼンチン人がいますアルゼ ンチンでは若者に刺青が人気で、この小さなエルボルソンの町にも私が知っているだけで2件の刺青屋さんがあります。私自信は刺青はあまり好きではありませんし、腕や首などになんだか安っぽい絵柄の刺青をちょこちょこっと入れている若者を見ると、「年とってから後悔するんじゃないのかな あ?」と余計な心配をしています。でもまあそれは各人の好みの問題ですから私がどうこう思う必要もないんですが。ただ変な漢字を刺青している人を見 かけると、さすがに同情してしまいます。一番多いのは漢字を逆さまや反対に書いている人です。わざととか、意味あってとかではなく、ただ単に間違 えているだけの様です。彼らにとっては漢字は意味あるものではなく、デザインの一種だから問題ないのかもしれません。でも自慢げに見せられた時、さすがに間違いだとは言えず、どんな反応していいのか戸惑いました。
写真は友人が「こんな素敵な布を見つけたの。何て書いてあるの?」と喜んで私に見せに来たものです。
みなさんなら、どんな風に説明されますか?
私は困りました。一体これは誰が何を見てデザインしたんでしょう。意味を説明してと言われても・・・・。
ひらがなが入っているので日本語なのは間違いありません。漢字の読める私はどこをどう見ても「素敵なデザイン」とは言ってあげられず、本当に困りました。言葉も出来ないし面倒臭がりの私は「これは別に意味はないよ。いろんな漢字がいろんな方向に並べてあるだけだよ。」と説明しただけで終りにしました。
東洋人の使命に燃えるなら、正しい漢字普及に力を注ぐべきなのでしょうが、どうせ聞く耳持たないアルゼンチン人が多いし、まあここは漢字、東洋の神秘に興味を持ってくれるだけで良いや〜と、いい加減な私は思っています。