時子のパタゴニア便り

1994年パタゴニア アンデス山脈の麓の村の5’5ヘクタールの土地に移住。ささやかな自然との暮らしの中で感じた事を書いていきます。

「パタゴニアの太陽」

パタゴニアはおそらく、人の数より羊の数の方が多いでしょう。ここ数年で通信状況が激変し、電話を持っている家庭は増えましたが、コンピューターを持っているのはまだ海外移住者やお店、貸別荘などの一部の人だけです。

電化製品も冷蔵庫やテレビ、洗濯機くらいで、町では電子レンジを持つ人も増えましたが、全体から見ればごく僅かです。室内の冷暖房も然り。

車は増えましたが、まだ高級品で日本の様に多くはありません。

つまり、日本の暮らしに比べると、まだまだのどかだと思うのです。それでもパタゴニアオゾン層は破壊されています。

真夏の今、ラジオでは毎日「11時から17時までは直射日光には気を付けましょう。」と放送しています。

私達も夏の今は薪集め、粘土採取、木イチゴ収穫などの外仕事が主な仕事ですが、それらは早朝にして、日中は室内か木陰で出来る仕事をしています。

実際、帽子も被らず炎天下を歩いたら、あっと言う間に頭が焼かれ火がつきそうな気分になります。それは「暑い」というより「痛い。熱い。」と言う方が正しい気がします。パタゴニアのイメージを崩してしまうようで嫌なのですが、これが事実です。

パタゴニアは国内外から多くの観光客が押し寄せています。地球最後の楽園などと言う人もいます。

万年雪のアンデス山脈に見守られていると、大自然の懐に抱かれ安らいだ気持ちがします。自然の恩恵、太陽の光を体一杯浴びたいという気持ちになるのでしょう。サングラスはしていても、ノースリーブ、短パンで歩く観光客を多く見ます。湖や河で甲羅干しをする人も多いです。私には信じられない光景です。

パタゴニアの太陽を甘く見てはいけません。旅行中の一時だけだと油断してはいけません。慎重過ぎると言われても、日光を遮る帽子、長袖はパタゴニア旅行の必需品だと私は思っています。

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写真解説

これはチュブット州の乾燥地帯の一部です。もうほとんど砂漠です。12月初めに行きましたが、暑かったですよ。写真では見えませんが、左手奥にチュブット川が流れています。