時子のパタゴニア便り

1994年パタゴニア アンデス山脈の麓の村の5’5ヘクタールの土地に移住。ささやかな自然との暮らしの中で感じた事を書いていきます。

焼き物展示会を終えて思うこと

nojomallin2005-12-08

今年も多くの方の御支援のお陰で、ブエノスアイレスの日本庭園で、焼き物展示会を開催する事が出来ました。
昨年に比べ、日本庭園への入園者が少なく、少し寂しい気もしましたが、それでも友人や知人が、家族や友人連れで、目眩のする様な猛暑の中、バスや地下鉄を乗り継いで会場まで足を運んで下さいました。
万全に体調を整え、展示会に望んだつもりでしたが、想像を超える蒸し暑さと、都会の喧噪、緊張と興奮で、体中に湿疹が出て、ただでさえ人より大きい赤ら顔が、更に大きく赤く膨らんでしまいました。でも、寝込まずに済んだのは
「形や色が自然で素敵な器です。」
「線香立てなどの小物が可愛いですね。」
と言う、優しい言葉に支えられていたからです。そして、帰り際には
「妹のお土産に。」「これでお茶を飲んだら美味しそう。」
と、何かしら購入していって下さり、
「ありがとうございます。」
の言葉でしか、私の気持ちを伝えられないのが、もどかしいばかりでした。
根暗で人付き合いの苦手な私ですが、今回の展示会では、「人と人の繋がり」の優しさ、大切さを学ぶことが出来ました。
好意に甘え頼るだけの私達に、損得抜きで協力を惜しまない優しい人達。
何のお礼もお返しも出来ない私達に出来る事は、心を込めて粘土を練り、心を込めて作品を作り、心を込めて焼くことだけです。
こちらに帰ってからメールを受け取りました。
「焼き物は、ぼくが綺麗だと思い好きで買ったのです。予算より多く買ったのはそれだけ良いと思ったからです。」
「立派な作品です。毎日眺めて楽しんでいます。」
これらの言葉は私の宝物です。そして、その言葉に恥じない作品を焼き続けていこうと、改めて思いました。
月並みな言葉ですが、これ以上の言葉が見つかりません。
「本当に有り難うございました。」