時子のパタゴニア便り

1994年パタゴニア アンデス山脈の麓の村の5’5ヘクタールの土地に移住。ささやかな自然との暮らしの中で感じた事を書いていきます。

展示会

nojomallin2005-11-17

一つの重さが30kgはゆうにある大きなスーツケースが3個。その他に着替えや洗面用具、お土産を詰める登山用リュック。
アルゼンチンへ来た時も、一時帰国した日本から戻ってきた時も、こんな大荷物にはなりませんでした。
「ふ〜」
私は期待と不安の混ざったため息を吐いて、それらの荷物を眺めています。
11月26,27日、ブエノスアイレスの日本庭園で、焼き物展示会をする為の荷物です。今年も昨年に続き、多くの方の厚意に支えられ、開催まで辿り着く事が出来ました。今回はブエノスの友人と、彼女の参加するステンドグラス教室の皆様との共同開催。
家族である動物達の世話やブエノスまでの交通費、この時期の農場の仕事を考えると、パタゴニアから大荷物を抱え、22時間バスに揺られ、花の都に出ていくのは私一人です。
今年のテーマは「自然を主体とした焼き物」の奥深さ、面白さ、不思議さ。
そしておこがましいけれど、私が生まれ30年過ごした日本と、今暮らしているパタゴニアの自然を、焼き物で私達なりに表現してみました。
なぜ、土探しから始めるのか?安定した化学釉を使わないのはどうしてか?ガスや電気ではなく松の薪で焼くと、どこが違うのか?
その為に、溶けた粘土、焼いた石、灰を被った作品なども持って行き、目で見て、触って、感じて、楽しんでもらえる工夫もしました。
友人の協力で、スペイン語の説明文、アンケートも作りました。
欲をいえば「あれも」「これも」となりますが、私達なりに全力投球したつもりです。今は、一つ一つちょっと(かなり)不細工な手作り箱に入って、スーツケースに収まっている作品達が、日本庭園の会場で展示され、来て下さった方達に何を感じていただけるか、不安と期待で、ドキドキわくわくしています。
こんな大荷物、バスが持ち込み荷物として認めてくれるかしら?乗り換えや移動の時はどうしよう、全部無事無傷で到着できるだろうか?
会場に着く前に、こんな心配も抱えています。
21日にブエノスへ向けて出発します。
次回の「パタゴニア便り」は展示会報告をします。今年はどんな出会いが待っているのでしょうか?