時子のパタゴニア便り

1994年パタゴニア アンデス山脈の麓の村の5’5ヘクタールの土地に移住。ささやかな自然との暮らしの中で感じた事を書いていきます。

もうすぐ春だよ

暦の上ではまだ冬ですが、暖冬も手伝って、すっかり春の気配です。

木に囲まれた我が農場でも、陽だまりの水仙が花開きました。新記録です。

せっかく積もった山の雪も溶けてしまい、また水不足の心配です。

日中はストーブなしでも良いのですが、来月20歳を迎える猫の福には寒いようで、まだまだ火を消せません。

ほんの数ヶ月前までは、朝私の目覚ましがなると「にゃーにゃー」鳴いて朝ごはんを催促し続けていましたが、今は、私が起き出してストーブの火をつけても丸まって寝ていることが多くなりました。

子供の頃から動物が好きで、いつも白黒で名前もニャン吉という猫を飼っていましたが皆んな早死にでした。母に「あんたが寅年だから、猫を食い殺しているんだ」と、今考えると信じられないような酷い事を言われていましたが、その時は、(そうか、私の所為なんだ。仕方ないか。)と落ち込むこともありませんでした。

ですから福が20歳を迎える事を、心から祝福し感謝したいです。

虎の私に負けないくらい意志の強い猫です。

来る人に「この子来月20歳だよ。」と言うと、誰もが福の色艶の良さに驚きます。歯もほとんど残っています。最近痩せてきて、耳も遠くなってきたけれど、おばあちゃんなんてとても呼べません。

福は私の目標です。私も福のように歳をとりたいです。

 

でも福がどんなに綺麗でもこの先何年も私のそばにいてくれる訳ではありません。そう思うと時々やりきれないほど寂しくなります。

でも覚悟なんてできないし、する必要もないので、今一緒にいる事を大切にしていくだけだと思っています。

 

これからの季節、どんどん緑が濃くなり花が咲いていきます。

街には我が家では寒くて育たない木や花があります。週2回街に行くと春の訪れの早さに目を見張ります。

今はアロモという木の黄色い花が咲いています。この花が大好きです。とても甘い香りがするのです。アロモは私にとっては春の使者です。

日本の春の桜も好きですが、パタゴニアのアロモも大好きです。

私はいつも、なんて素敵な場所に暮らしているんだろう。なんて素敵な人や動物たちに出会えたんだろうと心が膨らみます。

世界には本当に美しい場所が沢山あります。私が知らないだけです。でも比べる必要なんかないので、今生きているこの時、この場所をいつまでも大好きでい続けようと思います。

 

 

 

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アロモの花

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ストーブの前の福