時子のパタゴニア便り

1994年パタゴニア アンデス山脈の麓の村の5’5ヘクタールの土地に移住。ささやかな自然との暮らしの中で感じた事を書いていきます。

「リサイクルって??」

私が日本語教室と習字教室をするのに教室をお借りしているエルボルソンの文化セ ンターは一階が大きなサロンになっています。そこでは色々な勉強会や集会、講演会が開催されたり、随時地元の人たちの展示会が行われたりして います。殆どが絵、写真、焼き物、織物などの作品展で、教室の合間に見ては楽しんでいます。
今週の展示会は「ペットボトルの再利用」でした。こんな人口密度の低いパタゴニ アで、恐ろしいほどのごみを目にします。ビニール、プラスッチック、ペットボトルが増え続けているけれど、多くの人がまだポイ捨てが当たり前 の感覚なので、余計目立つのかもしれません。その反面、ごみ問題に取り組んでいるグループもあります。今回の展示はそのグループの活動の一部 を紹介したものでした。ごみ問題の解決はたった一つだと思います。それはごみを出さないこと。でもその当たり前のことは絶対に実現しません。 理想ばかり言っていても解決できないので、ごみ問題を何とかしたいと思う人たちはそれぞれの方法で活動しています。
さて今回の展示。最初にそのどぎつい色彩が目に飛び込んできました。何だろうと 近寄ってみて、それがペットボトルの再利用作品だと分かりました。作品を見ながら、もしこの中で好きなものをあげると言われても、ちょっと困 るなあ・・・と正直思ってしまいました。
私はいつも「日本人らしからぬ感覚の持ち主」と言われます。それは侘びさび的要 素が全く無く、感覚に日本人らしい奥ゆかしさや繊細さに掛けているからです。そのがさつな私が「うう〜ん」と唸ってしまう色使いでした。そし て見ていて心が落ち着かないのです。日本人らしからぬ感性だけど、かと言ってこのラテン的感覚にも馴染めず、私ってなんて中途半端なんだろう と考えてしまいました。
もし日本でこういうテーマで展示会をしたらどんな物になるでしょう?そして私が 企画したらどうするかなあと、想像してみました。
私ならペットボトルの再利用よりも、買わずにすむアイデアを展示したいです。例 えば、身近にあるタンポポの花や松の花粉、果物の皮(酵母)からおいしいジュースや炭酸が簡単に作れるので、自分で作って楽しむ方法とか、水 は炭で濾すと美味しくなるので、家庭で簡単に作れる炭の作り方(日本の知恵の受け売りですが)とか。
リサイクルって言っても、結局ごみが増え続けていることに変わりはありません。 そういう問題を考え始めると益々頭が禿げ暗くなるので、あまり深く突き詰めて行く事はしません。ごみは出来るだけ出さない、拾える時に拾う、 私に出来るのはそのくらいです。