時子のパタゴニア便り

1994年パタゴニア アンデス山脈の麓の村の5’5ヘクタールの土地に移住。ささやかな自然との暮らしの中で感じた事を書いていきます。

「日本食、健康食。ムムム?」

アルゼンチンに住んでいるとでいると、自分が日本人であるという事をとても意識します。
数年前日本のカレンダー展をエルボルソンで開催しました。その時日本の風景写真を見て、「日本には富士山以外に山があるんだね。」とか「田んぼがあるところに、冬は雪が降るんだ。」とか「ビルだらけかと思ったらこんな綺麗な場所があるんだ」とか、思いもしなかった感想を言われ、驚きました。だから私を見て「日本人は…。」と思い込んでしまう人がいるかもしれないと思うと少し怖い気がしました。
日本でアルゼンチンの情報はあまりない様ですが、こちらでは日本に関心がある人が多いです。アニメは日本を代表していると言っても過言ではないでしょう。日本語教室に来る子供達もみなアニメフアンで、お陰で私も結構アニメには詳しくなりました。
フクシマも今では日本を代表しています。おそらく日本に住んでいる日本人よりも関心が高いのではと思う事もあります。
そして何と言っても日本食です。豆腐、醤油はこちらの家庭料理になっていますし、味噌も結構需要があります。何と言っても日本食は健康食というイメージが定着していて、日本食材ならなんでも体にいいと思い込んでいる人もいます。
街の健康食品店も大繁盛で、店内を見渡すと、移住当初には無かった醤油、ごま油、みりん、海苔、昆布、わかめ、梅干し。最近では葛やひじきなんかもあります。ただお値段が高いので、私は街で醤油以外の日本食材を買った事はありません。
すごいなあと思うのは、海苔一枚、わかめ5g、梅干し一個など、気軽に試せる様に、また値段が高くても買ってみようと思える様にバラ売りしている事です。
そして日本食は何でも健康食と思われているからかインスタントラーメンや、インスタントカレーのルー、化学調味料、ふりかけなんかが堂々と目立つ場所に置かれている事も、なんだか笑えます。
ショーウインドーも9月は東洋特集でした。箸の置き方とかあれれ?と思う事もありますが、紙で巻き寿司を作って飾っているところなんか、なかなか素敵だなあと思いました。
味噌や豆腐も、パンにつけたり、レモンと混ぜて味噌スープを作ったり、豆腐ピザ、豆腐マヨネーズを作ったりと、こちらの食生活に合う様に、私が思いもかけなかった方法で工夫して食べていたりしてます。
八百屋でも白菜や大根が売られる様になりましたし、魚屋ではすし用のカニカマは必ずあります。もしかしたら、納豆が売られる日もくるかもしれません。味噌や豆腐は自分でつくれますが、納豆だけは未だに成功しません。私は納豆は健康食の代表だと思っているので、早くそんな日が来るといいなあ〜と思う反面、絶対自分で作るぞーと意気込んでもいます。
ところで、日本食は何でも健康食とちょっと誤解がある様、日本人は私と思われて、「ええ〜!そんなあ〜!」と日本に住む日本人の人たちからひんしゅくを買わない様に、いつでも誠実で正直でありたいと思っています。