時子のパタゴニア便り

1994年パタゴニア アンデス山脈の麓の村の5’5ヘクタールの土地に移住。ささやかな自然との暮らしの中で感じた事を書いていきます。

「パタゴニアで作る薬草オイル」

2月はパタゴニアの一番暑い季節です。殆ど雨が降らず太陽はジリジリと熱く、草木の緑も乾燥で黄色に変わってしまいます。湿気が無いので炎天下に居なけ れば過ごし易いのが唯一の救いです。この季節はルピナスローズヒップエニシダも殆どの花は終わってしまっています。そんな中で、埃っぽい乾いた道沿いに群生になって黄色い花を咲かせているのが「イペリクン」と呼ばれる弟切草の仲間です。

この花はよほど強いらしく、ほかの植物が育たないような乾燥した場所や、車の通る埃っぽい道端にも良く生えています。花は小さいので満開になっていても正直ゴージャスな感じはしませんし、香りも良いとは言えません。また美味しくないのか馬や牛、野兎も食べません。

けれどもとても役に立つ草花なのです。今回はこの花から作る「薬草オイル」の作り方をご紹介します。

まず花の部分だけを指で摘みます。あまり埃っぽい場所での花の収穫はお勧めできませんが、花を軽く洗ってから水分を取って頂ければ問題ないと思います。
それを透明なガラス瓶に入れ花がひたひたになる位まで食用油(オリーブ油、トウモロコシ油、ヒマワリ油、大豆油・・・何でも良いです)を注ぎます。口は布でふたをします。そして直射日光に当てておくだけです。3〜7日で油がきれいな赤色に変わ ります。そしたら花を漉して色つきビンに移し替えしっかりふたをして冷暗所に保存します。

このイペリクンオイル、できもの、やけど、切り傷、口内炎の時など、適量を直接塗るだけで効果があります。薬草と食用油だけで作るので口の中でも安心して使えます。

意地汚い私は食べすぎでよく口内炎になるので、毎年このイペリクンオイル作りは欠かせません。

ただ油ですので長期保存は出来ません。ほんの少量で十分です。旅行中でも簡単に素早くできますから是非作ってみて下さい。