時子のパタゴニア便り

1994年パタゴニア アンデス山脈の麓の村の5’5ヘクタールの土地に移住。ささやかな自然との暮らしの中で感じた事を書いていきます。

「うーん。これはどう考えたらいいんだろう?ご意見お聞かせ下さい。

のほほんと他人に頼ってお気軽に生きて来たら、数年前、どーんと大穴に落ちました。落ちてから暫くは辛かったですが、犬猫達のお世話や日本語教室や豆腐味噌作り、薪準備などやらなければいけない事がいっぱいあったお陰で、酷く落ち込まずに穴から出られる道を見つけられました。
穴から出た時、今までとは少し違う世界に来れたな、少しは優しい人になれたな、と思えました。だからこの先の自分や生活が不安よりも楽しみに思える様になりました。
そんな時、ふとしたことからネットで言霊実験というのに出会いました。良い言葉、感謝の言葉は全てを好転させ、悪い言葉は状況がどんどん悪くなっていくと言うもの。これはずっと前から知っていました。ですから毎日、時間があると一人で「ありがとう」を言い続けてきました。その言霊実験は割った生卵に一つはありがとう。大好き。もう一つはめんどくさい。鬱陶しいという言葉を日に何回かかけるというものでした。そして結果は悪い言葉の卵は、3日目に突然黄身が弾け、その日から腐り始めたというのです。良い言葉の卵はカビは生えてきたものの、ずっと良い香りが漂っていたというのです。
当たり前でしょと思いましたが、自分でもやってみたくなって、卵は高いので、毎日出るおからで試しました。煮沸消毒した瓶に同量のおからを入れ、蓋をきっちり締めました。同じ場所に置いて一つには微笑んでありがとう。愛してる。大好き。もう一つにはもうダメだ。諦めろ。とため息をつき続けました。
1ヶ月は何の変化もありませんでした。おからって強いんだ、が私の感想でした。2ヶ月目変化が現れました。ありがとうの方に赤っぽい色がつき始め、もう一つは白いまま水分が抜けてパサパサした感じになりました。3ヶ月後、明らかに違いが出ました。ピンク色に変わったおからは、固まって水っぽく見え、もう一つは白いパサパサしたままでした。
その間一度も蓋を開けませんでした。そして3ヶ月後、蓋を開けてみました。ありがとうのピンクの方はきっと発酵してお酒のような良い香りがすると思っていましたが、開けてびっくり!腐った嫌な臭いがして、ネチャネチャと塊になっていました。もう一つは無臭でパサパサでした。
そんなあ〜!私は考え込んでしまいました。

私はいつも楽しく感謝してありがとうを言いました。言っている時、とても気持ちが明るくなりました。もうダメだ。諦めな。とため息をついていた時は、気持ちが暗くなって、実験とは言え、こんな事口に出すべきじゃないな、おからに申し訳ないと思っていました。
それなのに、予想とは全く逆の結果が出ました。心の力が抜けてしまいました。
私のありがとうはありがとうには聞こえないんだろうか?そう言えば、穴に落ちた時、きっと一番ありがとうの言葉を言った人から「君は本当に感謝の気持ちがない人だね。」と言われました。その時は悔しくて情けなかったけれど、今、納得出来ました。
毎日この結果をどう受け止めたら良いのか考えました。
私は少しは良い人になって、みんなの幸せを願えるようになった気でいたけれど、本当はそう思わなきゃあと自分で自分を戒めていただけで、心の奥では悔しい、許せない、失敗しちゃえと思っていたのです。そして見返りばかりを期待していたのです。だから私のありがとうはおからを腐らせてしまったのでしょう。きちんと魂を磨きなさい。それじゃなきゃあ、この先恐ろしいことになるよと言われているのだと思いました。
私はそう考えて頑張ろうと思いました。
皆様はこの結果をどんな風に受け止めましたか?どうぞご意見お聞かせ下さい。お願いします。
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