時子のパタゴニア便り

1994年パタゴニア アンデス山脈の麓の村の5’5ヘクタールの土地に移住。ささやかな自然との暮らしの中で感じた事を書いていきます。

はじめてのイベント

命あるものは必ず終わりが来ると分かっていても、それはまだ自分には関係ないと思っていました。でも去年還暦を迎えてから、自分のこの世界での終わりを実感するようになりました。

 

パタゴニアへ来て29年。夢のように過ぎたけど、同じ長さの時間をこの先とても過ごせないと思うと、あっという間にこの世界の卒業が来てしまうと実感しました。そうしたら、嫌な思い、悲しい思い、辛い思いを残さずに、温かい思いだけを残したいと強く感じ、心がとても穏やかになりました。

何が出来るのか?きっと何も出来ないけど、近くにいる人や動物、自然が喜ぶ事をすれば良いんだと思ったのです。

 

ありがとう農場と名付けた此処を、この先愛し大切に育んでくれる人に巡り会う為に、農場を開放していきたいと思いました。

不思議なもので、一人では何も出来ないけれど、助けてくれる仲間がその都度現れました。

何かイベントをしようか?と仲間と話し合い、新年の餅つき、書き初めイベントを企画実行しました。

特別宣伝はせずに、日系グループと友人にだけ声をかけました。夏の稼ぎ時。忙しいみんなが来てくれるか不安でしたが、定員の14人があっという間に埋まりました。

2週間前にはスタッフとして手伝ってくれる人だけで、餅つきをし、具体的に計画を練りました。

 

駐車場作りから会場設定まで、みんなが本当に丁寧に行動してくれました。

当日私は料理作りで忙しく挨拶だけして家に引っ込んでいましたが、餅つきや書き初めの説明、だるまの折り紙、浴衣の着付けと、スッタフが責任分担して盛り上げ事を運んでいってくれました。

ボランティアさんがInstagramを作って紹介してくれています。短いですが雰囲気は伝わるんじゃないかと思いますので、是非ご覧ください。

https://www.instagram.com/chacraarigatou/

仲間たち

 

お断りした人もいたので29日に2回目のイベントをします。前回の反省点を生かしより充実したイベントにしたいとみんなで張り切っています。

そして2月の終わりには、味噌と梅干し作りのワークショップを計画しています。

出来る事を出来るうちに心を込めてやっていきます。

 

イベントの前日の午後、大将と悟りをリードで散歩していたら、突然野うさぎが横切り、興奮した彼らが急に走り出しました。

突然の事で声を出す間も無く引っ張られ、下り坂だったので見事に転びました。悪い事に石だらけの道。直ぐにリードを離せば良かったのに、リード付きで逃げた彼らがどこかに引っかかって戻れなくなったらどうしようという思いが強く、最後の最後まで握っていたのも間違いでした。

顔の左側をぶつけ、左肘と右の脛を思いっきり擦りむきました。

鼻血を出し、唸りながらしばらく倒れていましたが、わんこ達は我知らずと走って行ってしまいました。怪我をしたことよりもそのことの方がショックで悲しかったです。

歯が折れなかったのは不幸中の幸いでした。足を引きずりながら家へ帰ると、わんこ達は「どうしたの?」とでも言いたげに、家の前で待っていました。

半世紀ぶりに膝小僧に大きなかさぶたが出来ました。

顔の傷を見て驚く人、心配する人、見て見ぬ振りをする人と色々でしたが、私が笑いながら状況説明すると、その状況を想像して一緒に笑ってくれる人もいて、心配されるよりずっと嬉しかったです。(私だってYouTubeで犬に引っ張られすっ転ぶ人を笑って見ていましたから)

でも転ばないように細心の注意を払っていこうと思いました。

 

転んでも笑って起き上がるがモットーの私の良い実体験になりました。

これから先も何度転んでも笑いながら立ち上がっていきたいと思います。

作ってもらったチラシ