時子のパタゴニア便り

1994年パタゴニア アンデス山脈の麓の村の5’5ヘクタールの土地に移住。ささやかな自然との暮らしの中で感じた事を書いていきます。

カエルの歌が聞こえてくるよ〜

ただただ、「そうだと良いなあ。」「あったら良いなあ。」と思うだけのもの。

絶対ありえない事で、実現しようとか、手に入れようとか想像もしないもの。

私にとっては、カエルの声をパタゴニアで聞く事や、カエルの姿を見る事がそうでした。

日本の実家は私が子供の頃は周りは田んぼで、ため池があちこちにありました。夏にはカエルの大合唱があって、姿を見た事はあまり無いけど、低音のちょっと不気味なウシガエルの声が特に好きでした。

エルボルソンの町や隣町にはカエルがいると聞いて正直驚きましたが、そこより標高が100m以上高い我が家では、池もないし水路の水は冷たすぎるし、カエルが住む事は想像もできませんでした。

ところが、同じマジン地区の友人がため池を作ったら、あっという間にカエルが住み着いて卵を産んだと言うのです。

 

「私も池が作りたい!」

声にした途端事態が動き始めました。友人が池を作ってくれたのです。

友人と言っても私の子供の年齢で、力も行動力もありました。

水草水芭蕉、おたまじゃくしを運んできてくれたのです。周りの飾る石も探して持って来てくれました。

 

我が家にカエル池が出来た! 小さな小さなおたまじゃくしが泳いでいる!

あまりに小さすぎて、目を凝らしてみないと見つけられませんが、この子たちに足が生え、手が生え、尻尾がなくなりカエルになって歌ってくれる日がやってくると思うと、嬉しくて楽しみで仕方ありません。こんな小さな体でどんな歌を聞かせてくれるんだろう。

夕方、犬たちと遊んだあと、池の隅に腹ばいになって目を凝らしてオタマちゃんを探すのが日課になりました。

 

家族が増えた

仲間が増えた

命が輝いている

 

今ここにいる私を大切にしていきたいです

 

夕日に映えるカエル池