時子のパタゴニア便り

1994年パタゴニア アンデス山脈の麓の村の5’5ヘクタールの土地に移住。ささやかな自然との暮らしの中で感じた事を書いていきます。

春が始まるよ〜

9月になって、パタゴニアも春が近いと感じる時が増えました。

 

テロという名のシギ科の野鳥が、巣作りにやって来ました。甲高い声で鳴いて飛び回っています。

この鳥は、木の枝などに巣は作らず、だだっ広い地面の上、人のいる近くに巣作りをします。

我が家にも移住当初はひらけた場所に毎年巣を作って子育てしてくれていましたが、大型犬を多頭飼いするようになってから、犬たちに追い回されるので来なくなってしまいました。

それで今は鳴きながら飛び回っているテロ見て、春を感じています。

猫柳の花はとうに咲いていたのですが、木が大きくなりあまりにも上の方で気がつきませんでした。

陽だまりでは水仙の蕾がほんのり黄色く染まっています。

りんごの蕾も微かに膨らんできて、私はいつも、木が膨らんで歌い始めたと感じています。

チューリップもムスカリも緑の葉が地面から顔を出し、日に日に伸びていきます。

 

朝は霜が降り、真っ白になっていますが、畑の準備を始めなければいけません。

最初にそら豆やエンドウ豆を蒔きます。

直播の人参、赤ビート、レタスやアセルガ、からし菜などはもう少し先になります。

 

毎朝、販売用の豆腐を作るので大量のおからが出ます。とても食べきれないので、肥料にします。お陰で去年はエンドウ豆とレタスが大豊作でした。

今年は食用に、こちらの野生ゴボウを畑に蒔いてみようと思っています。

 

ここより100メートル標高の低い街は春の訪れが早く、行く度に花が増え緑が濃くなっていて目を見張ります。

若い頃、特に学生の頃は、新学期が始まる不安で春が苦手でしたが、年を取った今は春の訪れを楽しめるようになりました。

 

毎日があっという間に終わります。

後から後から頭を抱えるような問題が起きて来ます。そして頭を抱えながらも、人に助けてもらいながら、それなりに解決している自分がいます。

この歳になって、自分の世界は自分が作っているんだと実感しています。

心の持ち方一つで自分を取りまく世界が大きく変わっていきます。

変化は怖いけど、それ以上に大きな可能性が拓けていく事も分かりました。

今生きている事を、大切にしたいです。

 

 

 

固い蕾の水仙