時子のパタゴニア便り

1994年パタゴニア アンデス山脈の麓の村の5’5ヘクタールの土地に移住。ささやかな自然との暮らしの中で感じた事を書いていきます。

迅速支払いだと良いんだけどな。

8月も半ばを過ぎると、そろそろ畑の準備が始まるのですが、今年は雨と雪の日が多く、ほとんどの人が何も出来ずに天気待ちをしています。昨日から大雨だったのが、夜のうちに雪に変わり、あたり一面銀世界に逆戻りしました。

寒さは続いていますが、それでも外の水タンクに薄く氷が張っても凍る事はなくなりました。

 

世界中のインフレ。アルゼンチンも例外ではありませんが、これはもう何十年も前から続いていることで、半ば慣れてしまっています。

生活は大変ですが、これだけ物の値段が上がっていくと、その勢い、速さに「お見事!」と、妙な感動を覚えます。日本語教室の生徒さんが、私の授業料が安すぎると自ら値上げしてくれました。コロナ以降、日本語は少人数にしか教えていませんが、楽しいし私自身の頭の運動になっているし、便乗値上げみたいな事は嫌だったので、返って生徒さん達に申し訳ない気がします。

 

コロナになってから、一気にオンライン化、カード化が進みました。私はアルゼンチンの口座は持っていません。年に一度、有機大豆を1トン近く購入するときにはどうしても銀行振込になります。ですから一度口座を持とうと銀行に行きました。ところが無職の私は面倒な手続きをしなければならず、しかも口座維持費が結構かかるので、アホらしくてやめました。

幸い自分の口座を使って送金してくれる友人がいるので、申し訳ないと思いつつ甘えています。

電気も無い、車も持たない生活ができれば別ですが、なかなかそういう訳には行かず、銀行振込が出来ないと電気代支払いなど生活に困ることもあります。

そういう時は町のpago fácil という代行支払いしてくれるお店に行きます。

ここは手数料は取らず有難いのですが、いつも人の列が出来ています。という事は、アルゼンチン人であっても口座を持たない人がいかに多いかという事です。

私の様に固定収入がないという人もいますが、個人情報を取られ政府に財産を把握されるのはごめんだという人や、過去に何度か突然の口座閉鎖があり、銀行を信用していない人もいます。

これはエルボルソンという町柄であるのかもしれませんが。

 

ここへ来て、色んな問題が一気に起こってきました。一瞬気持ちが落ち込んで危うかったですが、一晩寝たら「さーて、これらの問題をどう解決していこう。」とやる気が出てきました。

すぐには解決できない事ばかりですが、時間をかけて焦らず絡み合った糸をほぐしていけばいいことなんだと思います。

ほんの数年前まで、些細なことで落ち込んで泥沼にどんどん沈み、周りの顔色ばかり気にしていましたが、今は

「なんとかなるさ!どうって事ないよ!この私がどんな風に解決していくのか楽しみだ!」と、笑える自分がいることに驚いています。

年を重ねるという事、自分の足で立つという事は、とてつもなく素晴らしく力強い事なんだと感じます。

 

人生は面白いです。

 

 

少し古い写真でマスクの人が写っています。今はマスクをしてい方が稀です。