時子のパタゴニア便り

1994年パタゴニア アンデス山脈の麓の村の5’5ヘクタールの土地に移住。ささやかな自然との暮らしの中で感じた事を書いていきます。

1周年記念

5月9日

この日はバターくんが突然我が家にやってきた記念日です。

1年前のこの日、友人達と焼き物の窯焚きをしていました。我が家のワンコ達がワンワンと騒いでいたので行ってみると、訪問者の周りを我が家の3匹のワンコ達に混じって、バターがいました。

今まで一度も見たことのない子だったけど、バターがあまりにも自然に我が家のワンコ達に溶け込んでいたので驚きました。

最初は一日中いることも少なく、夕方には姿を消していました。また数日来ない日もありました。ご飯も可哀想だったけどあげませんでした。首輪はしていませんでしたが、どう見ても野良さんではないので居ついてしまって本当の家族を心配させたくなかったからです。

でもワンコの食事時に一緒に待っているようになり、愛おしくて少なめにご飯をあげるようになってしまいました。

年末頃には、1日の殆どを我が家で過ごすようになり、ご飯もしっかりあげるようになりました。ただ週末には姿を見せない日もあって、きっと本当の家族と週末だけ一緒に過ごしているんだろうななんて思っていました。

3月レンガのストーブを作りました。その時、入り口は開けっ放しにして作業をしていました。するとバターが初めはおずおずとでしたが家の中に入ってくるようになりました。

そして次第にごく当たり前のように、作業している私達の側で寝て過ごすようになりました。

そうなると、もう会えない日があると心配で心配でたまらなくなりました。

今では夜も家の中で寝ています。

本当の家族には申し訳ないけれど、「バターは大切なうちの子、大好き。居なくならないでよ。」と毎日言って聞かせています。別に閉じ込めたり繋いだりして行動を制限しているわけでは無いので、帰りたければ自由に帰れます。月に2回くらいは半日姿を見ない日もあります。

 

唯一のオス大将くんは、時々牙をむいて怒りますが、バターは争いを避け離れて行きます。喧嘩にならないように細心の注意を払い、大将が嫉妬しないように気にかけています。

 

他人から見たら何でもない退屈な話かもしれませんが、私はバターや大将、悟り、ホセフィナとの生活が、幸せで楽しくてたまりません。

私にこんなにも幸せをくれる犬達。

私はみんなに何かお返しできている?

 

今一緒に居られる事、掛け替えのない時間。大切に味わって行きます。

 

4月の終わりに雪が降り、あまりにも早い冬に驚きましたが、翌週は汗ばむような陽気に。

雪でポプラや果樹の葉は落ちましたが、南極ブナが今まで見た事がないほど鮮やかな赤色に染まりました。

新しいレンガの薪ストーブは、いつまでも温もりが残り快適です。暖かい冬を過ごせそうです。

 

 

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