時子のパタゴニア便り

1994年パタゴニア アンデス山脈の麓の村の5’5ヘクタールの土地に移住。ささやかな自然との暮らしの中で感じた事を書いていきます。

待望の暖炉

f:id:nojomallin:20220227203333j:plain

作業中


ウクライナとロシアで戦闘が始まった様です。

詳しい事は分かりませんが、気持ちが沈んでいます。

両国の友人知人は居ませんし、パタゴニアからは遠い遠い殆ど縁のない国です。それでも、今この瞬間にも多くの市民が着の身着のままで隣国へ避難しようとしているのかと思うと、世界はどこまで壊れていくんだろうと情けなくなってきます。

世界情勢とか政治経済の事は分からないし、自然災害を含め世界中であまりにも多くの事が起きていて全てに実感が無かったけれど、今回のこのニュースはとてもショックで恐ろしいと感じています。

 

それでも私の日常は変わりなく続いています。本当はいろんな事が変わってきているのだけど、「大丈夫、平気」とそれに自分を慣らして過ごしています。

 

さていよいよレンガの暖炉作りが始まりました。5日間で写真のところまで進みました。

材料を買い運ぶことはしましたが、私は作業には参加せず昼食とおやつ作りと後片付け掃除に精を出しています。

毎日8人分の食事作りはなかなか大変ですが、例えお世辞であっても「美味しい」と言ってもらえるので励みになります。

薪準備の野良仕事は大好きで、農場には整理しなければいけない立ち枯れの木も多くあります 

が、気持ちと体力、能力がどんどん離れているのも事実です。それで薪消費が少なく、熱効率の良いレンガの暖炉を作ってもらうことにしました。

暖炉の中には空室があって温まった空気が巡回する仕組みです。冬は冷蔵庫の様に寒かった隣接のシャワー室(トイレ)も温められる工夫がしてあります。

規制の形や物ではなく、私の身長、豆腐や味噌作りの作業効率を考慮し、冬、寝た後の夜も暖かく、猫の福も幸せでいられる我が家に合った暖炉を設計してもらいました。

 

週末の土日は休みで、月曜日からまた作業が始まります。多分今週中には完成して試し焚きができる予定です。

私は自分では何も出来ないけれど、困った事や希望を口に出す事で、物事は進み形になっていくんだなあと感じています。

人に頼るのは罪悪で、恥ずかしい事だと思う部分が大きかったけれど、「私じゃ出来ません。どうしたらいいと思う?助けてください。力を貸してください。」と素直に口に出しても良いんだと気付きました。

その代わり自分にできる最大の事をして、心から感謝して、貰った恩を次に送っていけば、自分だけでなく周りの道も開け物事がどんどん好転して行くと思いました。

 

動けるうちに、話せるうちに出来る事をしていって、気持ちよく後に残るものたちにバトンタッチしていきたいと考えています。

 

 

 

f:id:nojomallin:20220227203054j:plain

暖炉の焚き口部分。奥にオーブンを作ります。